人間ドラマを描く作品で好演
結婚から8年で離婚し、幼い子供を抱えたシングルマザーとなった和久井だが、私生活のゴタゴタは俳優としてのキャリアを傷つけることがなかった。あるテレビドラマの演出家は女優・和久井映見の魅力をこう語る。
「たとえば米倉涼子さんのように派手な役を演じるような人ではないのは確かです。むしろそういった色気を抑えた役柄で本領を発揮する人じゃないでしょうか。人間ドラマを描く作品ではいい味を出してくれると評判です。主役というよりは2番手、3番手で作品の安定感を出してくれる存在ですね」
新境地と評判を呼んだのは、2017年に放送された朝ドラ「ひよっこ」だった。
「和久井さんが演じたのはヒロインが務めた会社の女子寮のリーダー。年長なのにどこか抜けていて憎めないコミカルな役柄が話題になりました。普段は落ち着いた雰囲気の和久井さんだけに、こんな引き出しもあるのかと驚かされました」(テレビ誌ライター)
2013年には三谷幸喜演出の「ホロヴィッツとの対話」で舞台初挑戦。さらに2018年の映画「君の膵臓をたべたい」では声優に初挑戦するなど、和久井は活躍の場を広げている。
現在は2007年から続いている「必殺仕事人」シリーズで、仕事人たちの元締め・お菊という役でレギュラー陣に名を連ねている。昨年映画化もされたドラマ「ラジエーションハウス」では窪田正孝演じる主人公が勤める病院の院長・大森渚を好演した。
私生活は秘密のベール
順風満帆の役者業の一方で、萩原との離婚以降の私生活については大きなニュースが聞こえてこない。
「プライベートはあまり語らない昔気質の女優なんですよ。役者は私生活が見えない浮世離れした存在だからスターなのだという矜持があるのでしょう。どんな大物俳優でも今ではSNSをやるのが当たり前の時代ですが、彼女はなにひとつ利用していません。バラエティ番組に出て私生活をペラペラしゃべったりもしませんから、和久井映見の私生活は芸能マスコミにとって最後の秘密のベールかもしれませんね。もしかしたら一般の方ととっくに再婚しているかもしれませんし(笑)」(芸能ライター)
独り身を貫いても、あるいは新たな伴侶を見つけていても、どちらであっても和久井映見にはよく似合う。