1ページ目から読む
2/2ページ目

妻は”従属的”立場

東京地裁は判決理由で、「18歳という未来ある被害者の尊い命が奪われた結果が重大であることはいうまでもない」「一連の犯行により被害者が味わった恐怖や苦痛は想像を絶するものである」と指摘した。

東京地裁は、章平被告に懲役23年を、和美被告に18年の判決を言い渡した(20日)

その上で章平被告については、「一連の犯行に至る直接的要因は妻がいるにもかかわらず、被害者との関係を維持したいという身勝手極まりない動機にあった。犯行を主導しており刑事責任は非常に重い」とした。

一方、責任能力が争点になっていた和美被告については「章平被告の思いを被害者から自らに向けさせたいという自分自身の目的のもと、自ら判断して合理的な行動を選択している」などとして「障害の影響は限定的で完全責任能力があった」と認定した。ただ量刑については「従属的な立場だった」ことなどを考慮したとしている。

ADVERTISEMENT

「ふざけるな」法廷に響いた怒号

判決の言い渡しが終わり裁判長が「閉廷します」と告げた直後、法廷には「ふざけるな」「軽すぎる」という怒号が響き渡った。その言葉を発したのはAさんの父親だった。判決をどう受け止めたのか、Aさんの父親は判決後に代理人弁護士を通じてコメントを発表した。

Aさんの遺族代理人が、閉廷後、記者会見を行った(20日 東京・千代田区)

Aさんの父親:被害者の命が軽く扱われすぎている。今の日本の司法は間違っている。娘は残虐かつ卑劣な殺人にあってしまった。それに対する量刑がたった20年足らずでは平等だとは思わない。公正であるべきである。この量刑は罪に対して見合わない。刑罰が軽すぎる。

「前例との公平性を保つ考えが時代遅れ。本件を個別に考えたら死刑であってもおかしくないのではないか」とも訴えていた遺族側。今回の判決で確定するのか、今後の控訴判断が注目される。

(フジテレビ社会部・司法担当 高沢一輝)