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カーリング女子に刺激 北見市出身・元ロッテ古谷拓哉の営業マン人生

文春野球コラム オープン戦2018

2018/03/01
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元選手ではなく、一人の営業マンとして

 年間シートも10席ほど売れた。これもコーチや選手、OBから紹介してもらうなど、周りの配慮と人脈をたどり、地道な努力の結果、成立に行きついた。現役時代はなかなか分からなかった球団事務所内でのフロントの仕事。球団のためにと色々な人が連携を取りながら、一つの仕事を行っていることを痛感した。そしてその一人として自身も地道に頑張ることを誓う。

「まずは挨拶。あと電話で企業の方とアポをとることもやっています。アポの約束に行きつくまでは正直、なかなか難しい。企業の方は自分が元選手だからどう、ということではなく一人の営業マンとして見ているわけですから。しっかりと熱意を伝えてプレゼンをしないといけない。そういう意味ではまだまだ未熟さを感じます。早く一人前になりたい」

 今まで2月といえば春季キャンプ。この時期に千葉にいたことはなかった。キャンプ地である石垣島にいけない寂しさと切なさを感じる時はある。ただ、そんな想いは心の奥底へと押し込み日々、足を使っての営業を続けている。

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「2月ってこんなに寒いのかと初めて知りましたよ」

 古谷氏はそう言って笑った。4年に1回の冬季五輪。そしてこの時期になると決まってカーリングの話題を周囲からされてきた。今年は営業マンとして自身が北海道北見市出身であることを話題の一つにしている。現役通算148試合に登板をして23勝。13年には9勝1敗の好成績を挙げ、6月26日のバファローズ戦(京セラドーム)では九回二死まで無安打投球を続けたこともある。それでもユニフォームへの未練を自ら断ち切り、進んで入った営業の世界。まだまだ駆け出しの営業マン。でも毎日、一歩ずつ確実に成長している。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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