文春オンライン

「子どもの水着姿は小児性愛者にとって格好の餌」SNSに投稿した写真から始まる小児性加害の恐ろしさ

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

note

「児童ポルノ事犯」は増加している

下のグラフを見ても分かるとおり、児童ポルノ事犯の検挙件数は年々増加の一途をたどっています。2015年に児童ポルノ単純所持の罰則適用が開始された影響もありますが、これだけの件数があってしかも増加傾向というのは、子どもを持つ親としては恐ろしいことです。

それだけでなく、SNSにはお金を払えば名前や住所を特定する「SNS特定屋」という集団がいます。試しにTwitterで「特定屋」と入力して検索してみてください。手だれであれば、SNSに投稿した写真に写るタピオカドリンクから住所や行動範囲を特定することができるそうです。タピオカは表面が反射しやすく、撮影された場所が特定しやすいという原理だそうです。

一番気を付けねばならないのはSNSに上げた写真から住所や日常の行動範囲が特定され、子どもに実際に加害が及ぶことです。これは一番避けねばなりません。

ADVERTISEMENT

知られていない小児性被害の実態

普段私は小児性被害者支援団体と協働し、こうした小児性被害の問題解決に取り組みながら、SNSでこの問題を啓発しています。SNSでの反応を見ると、この問題は人によって認識の差が大きいです。なぜなら小児性被害の実態やデータが世間に認識されていないからです。

昔も小児性被害の事件は確かに存在しましたが、全国ニュースになるのは非常にまれでした。昔報道されたのは、強制わいせつの上殺人遺棄されたなど、悪質性の高いものばかりでした。

しかし、昨今はSNSの普及もあり、小児性被害の報道が頻繁に流れるようになりました。そのたびに、人々は被害に遭った子どものことを思い感情的な反応を示します。加害者に対して「去勢しろ」「刑務所から出てくるな」など実に厳しい声が飛び交います。子どもが犠牲になる事件なので感情的になる気持ちは理解できますが、これでは何の解決にもなりません。去勢して男性器がなくなっても性加害はできますし、刑務所に次々入れても加害者は一定数いるのでキリがありません。