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「子どもの水着姿は小児性愛者にとって格好の餌」SNSに投稿した写真から始まる小児性加害の恐ろしさ

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

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そして、同じくらい大切なのは、周囲の大人が小児性被害について正確な知識をつけていくことです。

小児性被害を啓発していると、女性よりも男性の危機認識が低いケースが散見されます。しかし、個人的に小児性被害の課題解決のキーパーソンは、男性だと思っています。男性は性被害を受けにくい性別なので無理もありませんが、男性が小児性被害の実態を把握し子どもたちを守るために行動できるかは、非常に重要なポイントです。「うちは男の子だから大丈夫」という認識は、小児性被害の実態と乖離(かいり)していると言わざるを得ません。

※5 飛田桂「子どもの性被害への対応に関する実態調査」2021年3月22日
※6 Kogan, S. M. “Disclosing unwanted sexual experiences: Results from a national sample of adolescent women.” Child Abuse&Neglect, 2004; 28(2), 147–165

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被害を受けた子どもはさまざまな問題に苦しめられる

もう一つは支援です。日本は諸外国と比較し、圧倒的に性被害を受けた子どもの支援が足りていません。小児性被害は犠牲になるのが子どもであるという特性から、子ども専用の性暴力ワンストップセンターであるChild Advocacy Center(CAC)が必要と世界的にいわれています。

米国では、小児性被害の正確な把握は、その犯罪の特性から難しいとされていますが、米国は「これくらいの小児性犯罪が存在しているだろう」と推測した上で対策を立てています。その結果、米国ではCACが900施設以上ありますが、日本では全国で3施設しかありません。

小児性被害を受けた子どもは、生涯を通じてさまざまな問題に苦しめられることがわかっています。不安、怒り、罪悪感、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、成人後の不適切な性行動などです。