6月22日、神戸市西区の草むらでスーツケースに入った穂坂修くん(6)の遺体が発見された事件。兵庫県警は7月13日、自宅で同居していた母親の沙喜容疑者(34)、次男の大地容疑者(32)、双子で次女の朝美容疑者(30)、朝華容疑者(30)の4人を死体遺棄の疑いで再逮捕した。
県警は司法解剖の結果、修くんの死因を外傷性ショックと発表。死亡時、修くんの背中には10カ所以上も殴られた跡があったという。なぜ、幼い命は奪われてしまったのか。凄惨な事件を詳報した文春オンライン特集班の記事を再公開する(初出:文春オンライン 2023年6月23日 年齢・肩書きは公開時のまま)。
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「すごく変わっているというか、奇妙な家族というか……」
第一報からすでに事件の異様さは漂っている。
母親への監禁、傷害容疑できょうだい4人が逮捕
神戸市西区の自宅に母親の穂坂由美子さん(57)を監禁したほか、鉄パイプで殴ったとして、この家に同居する長女の穂坂沙喜容疑者(34)、次男の大地容疑者(32)、双子で次女の朝美容疑者(30)、朝華容疑者(30)の計4人のきょうだいが監禁と傷害の疑いで22日、兵庫県警に逮捕された。
一緒に暮らしているきょうだいが、みずからの母を監禁、鉄パイプで殴打してけがをさせる――それだけでも事件の奇矯さがうかがえるが、この家族の周囲ではさらに悲劇が起きる。
きょうだい4人の逮捕後、一家の自宅に近い草むらからスーツケースに入った沙喜容疑者の一人息子・修くん(6)の遺体が発見されたのだ。
母親への監禁・暴行と幼い子供の不審死。突如起こった異常な事件は、どのような経緯で発覚したのか。全国紙社会部記者が語る。
3世代6人の同居生活だった
「一家は2011年から現在の家に住んでいたことがわかっています。由美子さんはこれまでにも継続的に数十回は押し入れに外から鍵をかけられて監禁されていたようですが、4人がいない時を見計らい、自宅を脱出。その後、隣の垂水区の団地まで逃げ、車いすに乗ってたたずんでいる際に通行人に発見されます。『迷い人がいる』という通報を受け、警察がかけつけたのが今月20日のことです」