いまから40年前のきょう、1978年3月8日、イギリスの公共放送であるBBCラジオでドラマ『銀河ヒッチハイク・ガイド』が始まり、4月12日まで全6回が放送された。これが好評だったためシリーズ化され、その後も断続的に放送されることになる。
その冒頭、いきなり地球が「超空間高速道路」の建設のため消されてしまうという、スラプスティック(どたばた)仕立てのSFドラマは、一種、カルト的な人気を獲得した。1979年には原案・脚本のダグラス・アダムスが自ら小説化してベストセラーとなり、これもシリーズ化され、全5冊が発表された。同作はこのほか、テレビドラマやレコードにもなり、作中に出てくるタオルまで売り出されたという(風見潤「解説」、新潮文庫版『銀河ヒッチハイク・ガイド』)。アダムスは2001年、49歳で亡くなったが、彼が生前に準備していた映画版『銀河ヒッチハイク・ガイド』は05年に公開され、ヒットした。
Googleで「生命、宇宙、そして万物についての答え」と検索すると「42」と出てくるが、これも元ネタは『銀河ヒッチハイク・ガイド』である。作中、同様の質問をされたスーパーコンピュータが750万年かけて計算した答えが「42」であった。その由来について、ファンのあいだでは「エジプトの『死者の書』に出てくる神の数」とか「ルイス・キャロルの『アリス』に出てくる規則の番号」などさまざまな説が飛び出したが、原作者のアダムスは一貫して《まったく意味のない数字として選んだ》と説明している(安原和見「訳者あとがき」、河出文庫版『銀河ヒッチハイク・ガイド』)。