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「2014年に出した『男ともだち』は、仕事をバリバリやって、恋愛は二の次っていう女性が主人公でした。今回はその10年後のイメージで、仕事もお金も余裕が出来た女性が、一人になったらどうなるんだろうと考えたんです。そうしたら、10年前とはちょっと違う人格が現れた。私が書く主人公はブレない、芯の強い女性が多いですが、今回はこれまでで一番“揺れる”女性。恋愛、結婚を巡るまりえの静かな冒険を楽しんでいただきたいです」


ちはやあかね 2008年、『魚神』でデビュー。同作で泉鏡花文学賞、『あとかた』で島清恋愛文学賞、『透明な夜の香り』で渡辺淳一文学賞、『しろがねの葉』で直木賞受賞。


(「オール讀物」9・10月合併号より)