ビッグモーター(BM)に次ぐ業界第2位の中古車販売業者「ネクステージ」は9月11日、浜脇浩次代表取締役社長が辞任することを発表した。保険契約の捏造をはじめとする複数の不正行為を認め、「新たな経営体制のもと、経営をしていくべき」と判断したという。
ネクステージを巡っては、今月6日と9日に「週刊文春電子版」が立て続けに“不正疑惑”を報道。「第2のビッグモーター」ともいえる経営体制の実態を報じてきた。ネクステージで何が起きていたのか。スクープ速報を再公開する。(初出:週刊文春 電子版オリジナル 9月9日掲載 年齢・肩書きは掲載当時のまま)
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中古車販売業界第2位の「ネクステージ」が、店舗に“成績表”を張り出し、社員に過度なプレッシャーを与えていた疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。ネクステージを巡っては、「週刊文春電子版」が9月6日配信の記事で複数の不正を報じているが、こうした厳しいノルマが不正の温床になっていたおそれがある。
中古車販売業界第1位のビッグモーターが保険金不正請求問題で揺れる中、2位のネクステージにも不正が発覚し、業界に激震が走っている。
タイヤがパンクしているかのように見せかける、営業が保証サービスを売るために「タイヤが古くなったら、パンクさせればいいんですよ」と客に“悪知恵”を吹き込む──「週刊文春」が、ネクステージ側が認めたこうした事実を報じると、同社の株価は急落。配信当日、一時はストップ安水準となる前日比700円(20%)安の2770円まで下落した。
「不正をしないと追いつけないんです」
ネクステージは、2030年までに「売上高1兆円」の目標を掲げている。その背景にあるのは「ビッグモーターよりエグい営業」(現役社員)だ。
「ノルマがあまりにきつすぎて、不正をしないと追いつけないんです」(同前)
「数字を達成できないやつはクズ扱いされました」(別の現役社員)
今回、「週刊文春」は不正の温床となった同社の“激詰め”の様子を示す決定的証拠を入手した。