ビッグモーター(BM)に次ぐ業界第2位の中古車販売業者「ネクステージ」は9月11日、浜脇浩次代表取締役社長が辞任することを発表した。保険契約の捏造をはじめとする複数の不正行為を認め、「新たな経営体制のもと、経営をしていくべき」と判断したという。

 ネクステージを巡っては、今月6日と9日に「週刊文春電子版」が立て続けに“不正疑惑”を報道。「第2のビッグモーター」ともいえる経営体制の実態を報じてきた。ネクステージで何が起きていたのか。スクープ速報を再公開する。(初出:週刊文春 電子版オリジナル 9月6日掲載 年齢・肩書きは掲載当時のまま)

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 ビッグモーター(BM)による保険金の不正請求問題が明るみに出て、中古車販売業者に注目が集まる中、BMに次ぐ業界第2位「ネクステージ」でも同様の不正が横行している疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。複数の現役社員、元社員が告発した。

ネクステージの店舗イメージ(公式HPより)

 ネクステージは中古車販売でBMに次ぐ業界第2位の大手企業だ。東証プライムに上場しており、売上高は2022年に4100億円を突破。この10年で10倍の成長を遂げている。車だけではなく、車両保険、タイヤ・ガラス保証、塗装など、さまざまな付帯サービスを販売している。

 BM内で横行していた保険金の不正請求が大きな騒ぎになっていた先月、ネクステージは率先して社内調査を実施。「不正な案件は確認されなかった」と公表している。

 ところが、同社の元社員はこう語る。

「不正がないなんてありえませんよ。なんならBMよりエグいことをしていましたから」

新規店舗が続々オープン(ネクステージ公式HPより)

 一体、どのような不正が行われているのか。代表的な事例の1つが“パンク不正”だ。現役の営業社員が明かす。

「保証サービスのひとつであるタイヤの無料交換はパンクしていることが条件。ですが中古車を買うとき、保証への加入を渋る客がいたら、保証を売るために『タイヤが古くなったら、パンクさせればいいんですよ』と客に“悪知恵”を吹き込む営業マンは非常に多かった。小さなことかもしれませんが、これは詐欺行為です」

 タイヤを無料で交換する時でも整備の工賃代は別途かかり、それも売り上げとして計上できる。そのため、わざとタイヤをパンクさせたり、パンクしたように見せかける不正も横行していたという。

「太めのネジの頭だけを残してタイヤの上に載せれば、釘が刺さっているように見える。客には『パンクしていました』と写真を見せて報告し、新品のタイヤに交換する。これで工賃分数字が稼げる。無傷の古いタイヤは自分の懐に入れて、オークションで横流しするんです」