去年3月、大阪府堺市の男性が運転するバイクに幅寄せやあおり運転を繰り返した上、自らが運転する車と追突させて死亡させたとして、危険運転致死罪で起訴されていた元介護職員の川島陸被告(28)。大阪地裁は22日、懲役10年の実刑判決を言い渡した。

 事件を起こした川島被告は何者なのか。当時の記事を再公開する(初公開:2022年4月22日/年齢・肩書きは当時のまま)。

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「会社で働いている時にもアイツは車がやっと一台通れるぐらいの細い道を凄いスピードで飛ばしたり、相手が何も悪くないのにあおり始めたりすることが多々あったんです。注意してもその場では言うことを聞くんですが、すぐに元の木阿弥。いつかはこうした車絡みの事故を起こしてしまうのではないかと思っていました」

 こう語るのは、今年3月28日に自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕されたのちに危険運転致死罪で起訴された川島陸被告(27)が以前働いていた、車関連会社を営むA氏だ。

 川島被告は大阪府堺市南区の府道で車を運転中、北島明日翔さん(28・あすか)が運転するバイクに約3分間に亘り幅寄せやあおり運転を繰り返した上、自らが運転する車と追突させ北島さんを死亡させた。

川島被告(Twitterより)

執拗なあおり運転に「殺意」はあったのか

 その後の大阪府警の捜査で「殺意があった」として殺人容疑で再逮捕されたが、今月19日、大阪地検堺支部は「殺意を認定するに足りる証拠が収集できなかった」として危険運転致死罪で起訴した。

「事故後、川島は証拠隠滅のためか車に搭載されていたドライブレコーダーのSDカードを道路に投げ捨てていましたが、それらの証拠からは明確な殺意があったと言える文言や画像が含まれていなかったために危険運転致死罪での起訴となったようです」(社会部記者)

川島被告(Facebookより)

 逮捕後は、「自分としては、ぶつけられたという認識だ」などと供述していた川島だが、その後は黙秘に転じ、未だ被害者への謝罪の言葉は聞こえてこないという。そうした川島被告に、「会社を辞めさせてもなお迷惑をかけられ続けている」と憤るのが、冒頭のA氏だ。川島被告はA氏が経営する車関連会社で昨年秋ごろまで働いていた。