新聞屋さんからもらったチケットと、ホッシーくんのうちわを握りしめ、初めて訪れた横浜スタジアム。そこで一目ぼれしたのは、鍛えたそのパワーでかっ飛ばした村田修一選手のホームラン……。あの瞬間から横浜一筋16年。はじめまして、イラストレーターのほしと申します。

 私は普段、SNSでベイスターズのイラストを中心に投稿しています。選手たちの活躍や勝利の喜びをファンの皆様と共有したり、このシーンよかったよね、あのシーンはこんな風に見えたよね、なんてことを形にしていくことが多いのですが、今季は“見てくださっている皆様がイラストを育ててくれている”と強く実感したシーズンでした。

「この選手の、こんな魅力を描きたい」という私の思いを、皆様が一緒になって盛り上げてくださったり、想像より斜め上の反応をいただいたことに驚いたり……皆様の反応が作品をより輝かせてくださることばかりでした。特にそう感じた出来事3選を、一緒にシーズンを楽しんでくださった皆様への感謝を込めて執筆しました。イラストとともにお楽しみください!

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みんな大好き! 愛され“お師匠”

 ルーキーイヤーから見事な活躍でチームをけん引している牧秀悟選手。そんな牧選手に魅了された私は、『牧メーター』と題して牧選手の通算ヒット数を試合ごとに更新しているほどです。打撃はさることながら、大和選手との二遊間コンビが特に大好きで……!

大和(左)と牧秀悟 ©時事通信社

 このおふたりといえば、牧選手が大和選手との自主トレを志願したり、WBC直後の不調だった時期に大和選手のアドバイスで見事復活をとげたり……両選手の師弟関係については皆様もお馴染みだと思います。その姿を見て、私は昨年の3月くらいから大和選手のことを“お師匠”と勝手に呼び、イラストを描いたり、SNSで連呼していました。

 そんななか、その時は突然やってきました。今季の8月9日、牧選手はヒーローインタビューで「自分の“お師匠”、大和さんの息子が誕生日でした!」とコメントしたのです……。

©ほし

 テレビの前で聞いていた私は大パニック。

 牧選手が大和選手のことを自分の師匠だとおっしゃっているコメントはよく見かけるので、そこに『お』がつくなんて単なる偶然……だとは思うのですが、以前牧選手とお会いできた際に、私のイラストを知ったきっかけはSNSだとおっしゃっていたし、もしかしたら“お師匠”イラストも見てくださったのかも……と思うだけでうれしくなりました。

 ですが、その時にもっと驚いたことは、“お師匠”という呼び名が一部のファンの方に浸透していたことです。このインタビュー時の興奮を隠しきれない私のポストに対して、短時間で300や600のいいねがつきました。以前からイラストの感想コメントや、グッズの入手報告など、大和選手のことを“お師匠”と呼んでいるポストを拝見したことが何度もあります。そして、牧選手がどこかでそれを目にしていた可能性も否定できません……!

 牧選手のこの発言の真相はわかりませんが、私のイラストから“お師匠”というイメージを持って大和選手を愛してくださる方がいること、本当にうれしかったです。これからも皆様から愛されるような、甘党のお師匠キャラ全開で描かせていただきます。

港星祭で新たなアイドル誕生!?

 ベイスターズで絵の仕事をする夢を抱いていた私にとって、9月頭に行われた『港星祭(べいすたさい)』のイラストを担当させていただいたことはまさに夢のような……それ以上の出来事でした。

 このイラストの難しかったところは、“学ラン縛り”で特定の選手だとわかるようなキャラクターにしなくてはいけないこと、なおかつ、そこに所属する部活を反映させなければならないことでした。

 イラストの千本ノックを受けるような感覚ではありましたが、美術部所属(設定)の戸柱恭孝選手には推し(DB.スターマン)を彫ってもらいたいな、ウエイトリフティング部のおふたり(大田泰示選手とエスコバー選手)にはピンク要素を入れたいな……と、こだわりを詰めながらとても楽しく描かせていただきました。

 そうして完成したイラストが無事に公開されたのですが、私自身びっくりすることが起きました。

 それが『今永生徒会長激モテ事件』です。

©ほし

 最初に漫画が公開された際、今永生徒会長へのうれしい反応をたくさんいただきましたが、それだけでなく、ファンクラブ会員の方々に投票していただいた『ミスター港星学園コンテスト』で堂々の1位。オンラインショップでのタオルの完売スピードも私が知るところ1位。単独パネルでも写真を撮る列ができていて……なんだかモテてずるいぞ生徒会長!

 多少主人公感が出るよう意識はしましたが、正直ここまでの人気になるとは思っていませんでした。今永昇太選手のイラストの新しい可能性を見つけられたこと、皆様が『人気No。1生徒会長』というキャラクターに育ててくださったこと、そして、ハマり役を任命してくれた実行委員の皆様に大感謝です。

 港星祭のスピンオフ作品……描こうかなぁ(笑)。