イノッチは株を上げたのか
さらに、放送作家でコラムニストの山田美保子氏はコラムで『またしても株を上げた井ノ原快彦』(デイリースポーツ)と書いていた。
《彼が副社長なら安心だ。今回もまた井ノ原が株を上げることとなった。》
山田氏と言えば、8月にはこんなコラムも。
『「24時間テレビ」は、いい番組』(デイリースポーツ8月29日)
番組のメインパーソナリティーをジャニーズタレントが務めた24時間テレビだが、山田氏の言葉で気になったのはここだ。
《今年は、事前の報道に逆風とも言うべきものが多かった。が、終わってみれば、「やっぱり、いい番組だ」と私には思えたし、(以下略)》
「報道に逆風」という表現に注目したい。ジャニー喜多川氏による性加害報道は「逆風」? ふんわり書いておいて、なんならジャニーズ側が被害者という体にも読める巧妙さである。こういう人たちが事務所の強力な援軍を務めていたのだと感じた。
ずいぶんなメンバー変更
ただ、山田氏の言うように『またしても株を上げた井ノ原快彦』には納得した部分もある。井ノ原氏の「子どもが見てるから」発言はトーンポリシング(論点ずらし)という批判もあるし、子どもを虐待してきた企業がまた子どもを悪用しているという構図にも思える。一方で、記者は会見のルールを守れという声もある。しかしですよ、皆がイノッチ論争に目が行く中、会見からはジャニーズの前社長や前副社長の姿が消えているという事実にハッと気づくのである(辞任した副社長は最初の会見から出ていない)。
本当に話を聞きたい人達ではなく、いつしか人前に出慣れたタレントが前面にいる。たしかに新社長(東山)や関連会社の社長(イノッチ)とはいえ、最初の想定から考えるとずいぶんなメンバー変更である。そしてイノッチはタレント性を爆発させて場を支配しているのだ。会見のこの“見せ方”はジャニーズ事務所側のしたたかさ、老獪さを感じる。やはりとんでもなく手ごわい。
そして、ご存じ「NGリスト」である。