統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐり、文部科学省は10月13日、教団に対する解散命令を東京地方裁判所に請求したと発表した。
「法人への死刑宣告」といわれる解散命令。その請求に至るまでの数か月間、教団と政府の内側では何が起きていたのか。「週刊文春」のスクープ速報を再公開する(初公開:2023年9月14日/年齢・肩書きは当時のまま)。
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岸田文雄首相が10月にも統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への解散命令を請求する方針を固める中、教団が6000人にも及ぶ日本人の2世信者を韓国・京畿道加平郡清平にある本部に呼び寄せ、9月12日から20日の日程でイベントを開催中であることが「週刊文春」の取材で分かった。
昨年11月以降、政府は「質問権」を行使し、統一教会の調査を進めてきた。教団トップの韓鶴子総裁(80)は「岸田をここ(韓国の本部)に呼びつけて、教育を受けさせなさい」と発言するなど反発してきたが、ここにきて急転直下、解散命令請求を行う方向で調整が進められている。
統一教会関係者が語る。
「強気の発言とは裏腹に、韓総裁は岸田政権の解散命令請求に相当な危機感を持っています。だからこそ、日本の“2世信者”を韓国に集めたのです」
2世信者6000人が集まる“洗脳合宿”を開催
目下、2世信者たちが参加しているのは「真の父母様主管 HJ天苑特別修練 Japan TOP GUN College(JTGC)」という教団イベントだ。9月12日から20日の日程で開催され、クライマックスは17日午前9時30分から行われる「神日本 2世圏総会」と題された特別集会だ。
「総会には全ての2世信者が集まります。その数なんと6000人。清平の教団施設の中でも特に広大な2万5000人が収容可能な『清心平和ワールドセンター』という場所で開催され、韓総裁も登場する予定です。“お言葉恩賜集会”のような雰囲気となるでしょう」(同前)
なぜこのタイミングで2世信者を“狙い撃ち”する形で一大イベントを開催したのか。前出の統一教会関係者は「解散命令請求対策です」と明かす。