1ページ目から読む
3/6ページ目

下船することなく4クルーズ続けて乗っている人、「孫の誕生日には降りないとね」というマダム、「1カ月犬を置いてきちゃったからそろそろ戻らないと」と言っていたマダム、などなど。なんなんだここは。

プールで会ったシカゴから来たという70代の台湾人夫婦も、何クルーズか続けて乗っていて、来月もまた乗るとのこと。「船に乗っていると夫婦喧嘩がないからいいのよ」と奥様。掃除も洗濯もご飯も作らなくていいから、というのが最大のポイントだ。夫は元レストラン経営者で、今は余生をのんびり楽しんでいるようだった。

今回乗ったDP号の航海時期がシルバーウィークということもあり、日本人が多く、ほぼ満室で約2700人も乗っていた(日本2073人、アメリカ203人、フィリピン188人、台湾81人、オーストラリア63人、クルー1100人)。若い世代も家族連れもいれば外国人も多くみかけた。

ADVERTISEMENT

日本ではまだあまり知られていないが、外国船の中には18歳未満の子どもは、無料というクルーズもあるという。DPは無料ではないけれど、早割や家族割などがあってうまく予約すればすごくリーズナブルだ。

われわれは、春頃予約して、説明会にも夫婦で参加して、知人からクルーズで着てほしいと譲り受けたドレスを船内で着用するためにダイエットにも励み、身も心も準備を進めてきたが、あっという間にクルーズの日はやってきた。待ちに待った遠足、心を駆り立てるように旅行会社からは、乗船の手続きや、トランクにつけるタグ、船の中でどう過ごすかなど、お知らせが届く。携帯にダウンロードしたアプリからも、出航まであと○日と○時間○分とカウントダウンが始まる。

日本酒で鏡開き、シャンパンタワーのセレモニー…

それにしても、クルーズなんて正直歩けなくなったジジババが行くものと思っていた私の考えは乗船後、180度変わることとなる。巨大な街のような客船をあちこち周り満喫するには、身も心も胃も頭も若くないと100%楽しめない。