今年5月、泉佐野市の集合住宅で山中元稀被告(22)が当時交際中の立花花華さん(享年18)に殴る蹴るの暴行を加えて殺害した事件。11月6日、大阪地裁堺支部で行われた初公判で山中被告は起訴内容を認めた。
血だらけの立花さんに「髪の毛を食え」などと脅したとして強要罪にも問われている山中被告。なぜ、凄惨な事件は起きてしまったのか。事件を詳報した当時の記事を再公開する(初出:文春オンライン 2023年5月16日掲載 年齢・肩書き等は当時のまま)。
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「札束をまき散らす」「オリンピックに出ている」
大阪府泉佐野市の集合住宅の一室で立花花華さん(18)が遺体となって見つかった事件。逮捕された自称自営業の山中元稀容疑者(22)は小学生の頃、将来の夢についてこう綴っていた――。
2人は交際関係にあり、喧嘩になったことから山中容疑者が立花さんに暴行を加えて死亡させたものとみられる。山中容疑者は5月9日に傷害容疑で逮捕され、11日に殺人容疑に切り替えて送検された。18歳という若い命を奪ってしまった山中容疑者とは一体どんな人物なのか。近隣住民らは「地元では有名な“悪ガキ”だった」と話し、後悔と義憤を語った。(#1を読む)
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昔から秘めていた“人を死に至らしめるほどの凶暴性”
社会部記者が解説する。
「事件現場は山中容疑者の自宅アパートでした。山中容疑者は8日午後11時から翌日0時まで、1時間にも及ぶ暴行を加えた後、同日午後4時ごろに外出しています。そして約3時間後に帰宅し、自ら通報。山中容疑者は『(立花さんが)呼吸をしていない。心臓マッサージをしても動かないので通報した』、『20発くらい殴った』と供述し、傷害の容疑を認めていました。2人は事件の1カ月ほど前から交際を始め、“半同棲”状態であったとされています」
司法解剖の結果、立花さんの死因は頭や身体の内出血による出血性ショックで、警察は山中容疑者が“執拗”に暴行したとみて捜査している。山中容疑者の実家周辺に住む近隣住民らに話を聞くと、山中容疑者が昔から“人を死に至らしめるほどの凶暴性”を秘めていたことが浮かび上がってきた。
「元稀は建築関係の仕事をする父と専業主婦の母、兄、妹の一家で育ちました。幼少期はあまり目立つこともなかったのですが、10歳の頃から素行の悪さが際立ち始めて、近所では要注意人物として名前が出回り始めたんです。
地元はヤンキーと呼ばれる人種が多い町ではあるものの、元稀はそのなかでも特に凶暴で有名でした。立場が弱そうな子に対していじめを繰り返して、それを咎められても『やっていない』と息をするように嘘をつくような子。小学5年生の時には同級生を階段から突き落として、その子は1年間治療を続ける身体になってしまった。
それからというもの、元稀には人が寄り付かなくなり、私自身も自分の子どもには元稀やその兄妹とは関わるなと教えて育ててきました」(近隣住民)