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月1回出没していた“ナンパスポット”

 一方年配者たちに可愛がられていたという表の顔とは裏腹に、渥美は地元民らが“ナンパスポット”だと口をそろえる、若者たちが集うショットバーにもたびたび顔を出していた。薄暗い店内ではクラブミュージックが爆音で鳴り響き、顔を近づけなければ会話をするのも難しいほどだ。

「遼馬は月に1回、ふらっと店に男3人くらいでやってきました。店ではダーツもできるけど全くやらないし、ワイワイ騒ぐわけでもない。女性に対しては少し奥手なのか、テーブルを囲んでちびちびと酒を飲んでいました。身内だけで少しスカしているというか、落ち着いて酒を飲んでいた印象です。今年の6月以降は『事情があってこれない』と言い、ぱったりと来なくなりましたね」(バーのスタッフ)

水商売風の女性とイチャついていた

 妻を娶りながらも野本さんと交際を続けていた渥美だが、こうした女性の影は常にあったという。冒頭のタクシー運転手の男性が証言する。

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「最初に渥美と会ったのは1年半ほど前です。渥美は夕方の開店直後から地元の焼き鳥屋で飲み始め、20代半ばくらいの水商売風の女性と店を出てくる。タクシーを店に呼びつけ、最寄り駅近くの女の子がいる店が入る雑居ビルの前で降りるんです。いわゆる同伴ってやつでしょうね。

 酒の臭いもしましたが、それより焼き鳥の炭の臭いが激しくて、2人が降りた後にいつも窓を全開にして換気していました。その女性と乗る時だけは、いつもと違い、完全に自分たちの世界に入りイチャつくだけで、迷惑をかけてこなかった」

亡くなった野本さん

深夜にベロベロでタクシーを呼びつけ、乗車拒否に

 こうした女性関係とは別に、渥美が最もタチが悪かったのは、後輩たちを従え、常連のスナックを出た時だったという。前出の運転手が続ける。

「配車アプリで夜中2時くらいに店に呼ばれるんですが、ママの名義で呼ばれるので渥美かどうか、行ってみるまでわからない。あんまり配車アプリの依頼を拒否すると、普段の配車数が減る仕組みになっているから、仕方なくスナックに向かうんです。『どうか渥美じゃない人が出てきてくれ』と願ってましたね。

 渥美の場合、まず着いているのに『もう一曲始まっちゃったから』とママが言って、どれだけ待っても出てこないことも頻繁にありました。『もうメーター入れるからね』と言ったら、最後にはようやく出てきましたが……。店前の路上に座りながらワーワー騒ぐばかりで全く乗ってこないこともありました。全員がベロベロで立とうともしないし、本当に嫌になっちゃいましたよ。結局、『悪いけどこっちでキャンセルしとくから』と帰りました」

 乗車を拒否するまでに運転手の男性が渥美を毛嫌いしていたのは、それまでに度々の非礼があったからだという。