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開幕8連勝の西武 好調の要因がいっぱい

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/13

貪欲さが出ている今年のライオンズ打線

 これまでの試合運びに目を転じると、点の取り方に昨季までとの違いを感じる。開幕戦で3回に7点を挙げ8対0としたが、それで「満足せず」8回に3点を追加した。昨年までの印象としては、ある程度の点差がつくと淡泊打線に変化したように見えたが、今年は得点に関してかなりの貪欲さが出ている。また、ビッグイニングの回数も多く(11試合消化時点でイニング4得点以上が5度)、つなぐ野球が顕著に現われている。相手投手次第なのだが、打撃コーチなどベンチの指示も徹底されているのだろう。

 それと、昨季までは「初物に弱い」と評されていた打線だが、開幕1、2戦で日本ハムのブライアン・ロドリゲスとニック・マルティネスから勝利し、7日のオリックス戦では、昨年のドラフトで競合しクジに外れた田嶋大樹から6点をもぎ取った。最初の対戦で抑え込まれるとマイナス意識が働き、次回以降の攻略に苦労するが、今のところは気分優位に戦えそうだ。

 ここまで戦って主砲の中村剛也とエルネスト・メヒアに元気がないのが気がかりだ。2人の年俸が合わせて7億8千万円なので、このままだとファンも納得しない。結構ファンはこの年俸額に敏感で、ベンチに座ったままだと「○億円の置物」などと酷評される。でも、周りの打者が調子を落とした時に存在感を発揮してくれればファンも納得するだろう。また、そうなることを望みたい。

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 さて、6日の金曜日。久しぶりにメットライフドームの外野席で観戦した。トランペットが鳴り響き、大きな旗が振られ、味方の攻撃中はほとんど全員が立って応援するので視界がさえぎられ、椅子は背もたれのないベンチシートなので結構疲れるもの。でも、8回に飛び出した山川の本塁打には感動した。打席から放たれた打球が自分に向かって一直線。数メートル前に着弾したが、怖いのでボールからよけた。これも野球の迫力。1球ごとにスコアブックをつけているので、見づらい面はやむを得ないが、楽しさがタップリ伝わった外野席観戦だった。

メットライフドームの左翼席 ©中川充四郎

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