今後の動向について専門家に聞いてみた
そんな神出鬼没な動きは今の時代にマッチしているのかもしれない。自身のツイッターは2日でフォロワー数が2万人越え。球団公式ツイッターに4月1日に投稿をしたハワイでの動画は58万回の再生回数を記録し、「いいね」は2万9000件を超えた。この状況はなんとロイター社やYAHOO! NEWS UK(イギリス)からも取材があるなどテンヤワンヤの大さわぎ。元々、SNS映えするキャラを狙っていると言われ、昨年も世界に拡散をされたが今年も一発屋ではないところを見せつけている。
「今の時代は日常の中に細かいマニュアルや設定があったりする。仕事でも細かいデータや理由付け、報告を要求されたりして息苦しい非常に難しい時代。その反対としてこの謎の魚のキャラはある。名前すら公表しないというシンプルな設定。なにをやるかもわからない。設定が公になっていないから、なにをやってもOKで自由気まま。そういう風に束縛されていない事が多くの人の共感を呼んでいるような気がします。現代人は色々な事に束縛されているからこそ自由な魚に憧れ、好意を抱くのだと思います。設定がほとんどないのも見ている側からすれば肩ひじ張る事もなくなんだか気楽ですよね」(千葉ロッテマリーンズ広報メディア室 梶原紀章氏)
さてその謎の魚。とりあえずは5月12日に台湾で始球式を行う事までは分かった。その後、大人しく戻ってくるのか。それともまた遊泳を繰り返すことになるのか。その点については専門家の間でも意見が分かれている。「明らかに同じペースで航行をしており、比較的、陸地の近くにいます。これは日本一周を狙っていると考えるのが正しいと思われます」(謎の魚 研究家)。
生物学に詳しい別の専門家は「元々、魚には目的地はない。目的地があり、そこに向かっていると考えるのは人間のエゴ。ただ、気の向くままに泳いでいるというのが正解ではないだろうか? じゃあ、あなたの家で飼っている金魚はなにか目的をもって泳いでいるのですか? ということ」と主張をした。一方で「もしかしたらさらなる進化をする過程なのかもしれない。海底でなにかエネルギーを集めているというのが正しい見解ではないだろうか」とその行動を注視した方が良いとの意見もある。
これらの考え方について千葉ロッテマリーンズ公式の謎の魚 調査隊は「今後、進化をするのは間違いないと思っています。第4形態、第5形態までは間違いなくあるというのが球団の統一見解。生物の進化の過程を考えれば第4形態は巨大化するはずです。確信はありませんが、99%の自信があります」とコメントをしている。
いずれにせよ今年も謎の魚は謎めきながらも、どこか人の心に残っている。好きだという人もいれば気持ち悪いという人もいる。面白いという人もいればくだらないという人もいる。賛否両論のどちらであっても人の心に残っているという点は間違いない。日本だけではなく海外からもSNS拡散をされる謎の魚は、もしかしたら今の時代を映す鏡のような存在なのかもしれない。
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