大阪府大阪市「扇町キネマ」――映画と演劇で文化を発信する“シアターコンプレックス”に

「もちろん志はありますが、OMCは団体や個人のお客様に空間を使っていただく、貸し劇場、貸し会議室事業という“受け身”のビジネス形態をとっています。劇場を使う劇団などは、週末の利用が多くなる。需要が減る平日にも来場者を呼び込むには、毎日のように開催できて、OMCが自主運営できるイベントが不可欠だと考えたんです」

　映画上映はまさにうってつけ。扇町キネマは逆算からうまれたミニシアターなのだ。とはいえ映画館がひしめく大阪では、独自色を打ち出さないと埋没しかねない。

「十三（じゅうそう）の映画館、第七藝術劇場と提携し、上映作品を選んでいます。オープニングでは『ブエノスアイレス』など、かつてミニシアターブームを築いた名作を特集したほか、ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターで上演された舞台作品を映像化した『ナショナル・シアター・ライブ』から3作品を上映しました」

　“演劇”は扇町キネマのキーワードになるかもしれない。

あなたにはこちらもおすすめ！

大火災から奇跡の復活！　名優たちも愛する小倉昭和館の「北九州のニュー・シネマ・パラダイス」物語