著書『しいたけ占い 12星座の蜜と毒』が、10万部を超えるベストセラーに。辛酸をなめてきた大人たちを唸らせる、ポップで哲学的な占い師・しいたけさんが、予測不能な小説を生み出す村田沙耶香さんを占うとどうなるのか? 占いの様子をレポートします。

村田沙耶香さんとしいたけさん ©榎本麻美/文藝春秋

(前回「占い師・しいたけが芥川賞作家・村田沙耶香を占ったら……トーク編」)より続く

「しいたけ占い」のスタンスとは

村田 しいたけさんの占いは好きで、サイトをブックマークしてよく見ています。占いとしては珍しく文章が長いような感じがするんですけれど、それが面白くて、お話を読んでいるみたいで。「こうするといい」というより、「こういう考え方だと楽しいよ」みたいな柔らかい言葉選びをされていて、幸せな気持ちになります。

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しいたけ ありがとうございます。

「しいたけ占い」は、占い師・しいたけ、イラストレーター・タロアウト、「VOGUE GIRL」のコラボレーションによって生まれたコンテンツ。©TAROUT

村田 刺激的な占いが好きな方もいると思いますが、言葉遣いが優しかったり美しかったりする占いが好き、という人も今は多い気がします。悪いことでも「こんなことがあるかもしれないけど、大丈夫だよ」みたいに書いてあるから、結局いいことばっかり(笑)。

しいたけ 占いは、僕の「意見」ではないんですよね。人が何かを表現するときって自分の意見を押し付けてしまいがちなので、そこは注意をしています。乙女座について書くときは変な話、乙女座になりきっていて。ときどき「あれ、自分ってどうだったっけ?」と思うことがあるくらい、自我を抑えています(笑)。

 ウェブや本では12星座占いという形でやっていて、一対一の場合は人の体をオーラというデータに還元して、その意味合いを読んでいきます。ヨガやアーユルヴェーダと同じ源流の、西洋の科学が発達するずっと前からインドの僧侶たちが行っていたような技術です。

村田 オーラの色が見えるということですか?

しいたけ 感じるというか、その人から微弱に伝わってくるものがあるんです。たとえば赤い色は「闘争状態」で、試験を3カ月後に控えて勝ち抜かなきゃとアドレナリンが出ていると赤色として感じとれたりとか。絶対音感に似ているところがあります。今聞こえた音が「ド」に置き換えられるものだとわかるように、雰囲気を色に置き換えています。

村田 なるほど。

しいたけ 漁師の人が「3日後は嵐になる」とわかるのと似たカテゴリーというか、それをもうちょっと専門的、体系的にしていった技術ですね。

 では少し時間をいただいて、村田さんのオーラリーディングを。

(10分ほどリーディング。人の形のイラストのまわりに、村田さんのオーラの色を写しとるしいたけさん)