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仕事は午前中に集中してやる

 有働 普段はどんなスケジュールでお仕事されているのですか?

 小泉 ツアー中は週末ごとに地方へ行って歌うし、普段は取材や撮影が入っている日もあれば、会社で終日デスクワークという日もあります。メールのやりとりも結構な時間が必要で、早朝によくやりますね。

メールの返信も社長自らやっているという ©文藝春秋

 有働 早朝というと?

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 小泉 5時、6時には目が覚めるんです。おばあちゃんだから。

 有働 いやいやいや(笑)。

 小泉 午前中が一番誰にも邪魔されずにものを考えられるので集中的に仕事をこなします。代わりに夜の7時、8時以降はよほどじゃない限りパソコンを開かないと決めました。そうしないと、好きな韓国ドラマも見られない(笑)。

©文藝春秋

 有働 お仕事はどういう基準で選んでいるんでしょうか。

 小泉 今日のような対談や取材は無数に依頼が来るので「ああ、有働さんにしばらく会っていないな。会いたいかも」と感覚で決める。徐々にシンプルな基準で判断するようになってきています。

 有働 そうすると、今の方が昔より自由に動きやすいですか。

 小泉 自分の人生を、きっちり自分の車で走っているという感じですね。前も楽しかったですが、自分の人生だけど運転手が別にいて、ちょっとラクをしていたという。

 有働 2021年から2年半はポッドキャストで『ホントのコイズミさん』という、本にまつわる番組をされましたよね。読売新聞で10年も読書委員を務めた小泉さんらしさがありつつ、マスを相手にしてきたキョンキョンとは違った発信の仕方だと感じました。

 小泉 実は自分の中では昔から、マスかそうじゃないかという区別はしていないんですよ。サブカルチャーともずっと繋がってきたし、そっちの方が得意なんです。一方で、マスに訴求するために呼ばれたら、それはそれで力を発揮することはできるかもしれないなとも思います。

本記事の全文「60歳定年だと思って、その先は白紙にしています」は、「文藝春秋」2024年2月号、および「文藝春秋 電子版」に掲載されています。