「もうびっくりして、涙が溢れてきました。生まれた子どもをお腹の上に置かれたとき、ドンッて衝撃的な感覚があって。“あ、この子が出てきたんだ”と思って、なんとも言えない感情でした」

 柔らかな笑みで「いい子に生まれてきてくれました」と話す新井恵理那。その姿はすっかり優しい母の顔だ。

©撮影・山本貴一

「出産前はあれしたい、これしたい、どこかに行きたいという気持ちがあって、一日中家にいることはまずありませんでした。でも今は、赤ちゃんがいればいいと思える。全てを忘れさせてくれる存在になっています。実際産休中はずっと赤ちゃんの世話をして一日が終わっていたけれど、全く悲壮感がないし、それで十分という感覚になっていましたね。ザ・母的な自分が私の中に生まれた感じでしょうか(笑)」

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 昨年は結婚に妊娠、出産と人生の転機を経験し、「激動の一年でした」と振り返る。出産前とは生活も意識も大きく変化した。

©撮影・山本貴一

「独身も楽しいし、幸せだと思っていたけど…」

「もともとあまり結婚願望はない方でした。いつか子どもは欲しいけど……、という程度に考えていましたね。でも子どもが生まれて、母も一緒に暮らし始めて、思いがけず共に暮らす家族が4倍に増えて(笑)。家族と過ごす時間が増えて、そこで私は寂しかったんだなって気づきました。

 独身も楽しいし、職場に行けば仲間がいっぱいいるし、幸せだと思っていたけど、全く違う種類の幸せがあったんだなと。ご飯をみんなで食べるときや、お茶をするときとか、幸せだなって感じることが増えた。本当に素朴なことだけど、やっぱりいいものなんだなって思います」

 母となった今もそのスタイルは変わらぬままで、美貌はひときわ磨きがかかった感がある。