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「母になるなら、流山市」

―― いま注目の郊外の都市というと、どこでしょうか。

池本 流山市ですね。「母になるなら、流山市」というキャッチフレーズで人を呼び込んでいる街です。ここはターゲットと戦略が明確なんです。都内に通勤する共働きミドル層をターゲットにして、無理ない住居費で子育てもストレスなくできますよ、とアピールしています。

 特徴的なのは駅前に保育ステーションがあって、そこまで子どもを連れてくれば各保育園行きのバスが待っているので、そのまま子どもを保育園まで運んでくれること。帰りも、子どもを駅前の保育ステーションで預かってくれるので、お迎えが非常に楽なんです。

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―― めちゃくちゃ便利ですね……!

池本 そうでしょう? 共働きの夫婦にとって何が一番大事かというと、「時間」なんですよね。常に時間との戦いなんですよ。また、保育園から小学校に上がったときの英語教育にも力を入れていることを、流山市全体でプロモーションしています。

「『人口の奪い合い』は不毛だ」と言われますが、実際には起こっていくと思います。自治体のトップを中心に「私たちの街のカラー」をどう作り、どう伝えていくか。ユニークネスとプロモーションが未来の「住みたい街ランキング」を左右していくと思いますね。

 

写真=佐藤亘/文藝春秋