ちょっと前に自民党の二階俊博元幹事長の「書籍代3500万円」が話題になった。インパクトがありすぎて。

 二階氏の事務所は、2020~22年の二階氏の政治団体の政治資金収支報告書を訂正し、追加した「書籍代」計3472万円の内訳を先月に公表した。一体何にどう使っていたのか。

自民党の二階俊博元幹事長 ©文藝春秋

1045万円分購入した本

 公表された文書によると、議員活動としての政策広報のための支出として「出版社(作家)より出版構想、最低買い取り数量を提案され購入した」と説明していた。

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 政治家にとって都合の良い本ならたくさん購入してくれる素晴らしいシステムである。二階氏は「選挙区外の行政や議会関係者、その他、関連する政策を進める関係者」らに配布したという(毎日新聞2月14日より)。

 ではあらためて購入本のリストを見てみよう。目を引いたのが『ナンバー2の美学 二階俊博の本心』(大仲吉一 著)だ。この本をなんと5000冊、1045万円分も購入していた。突出している。どんな内容なのか興味を覚えた方もいるだろう。実は私の本棚にもあったのだが二階氏から配布されたのではなく「1冊、1900円」で自分で購入していた。なんだか悔しい。

 というわけで噂の二階本『ナンバー2の美学 二階俊博の本心』をあらためて読んでみた。第4章「二階俊博、その生い立ち」がすごい。冒頭に「二階みかん」について書かれている。

まるで「笠地蔵」

《二階俊博と親交のある人間は、「二階みかん」をよく知っている。挨拶回りを兼ねて二階の地元である和歌山県産のみかんの入った段ボール箱を抱えて、二階俊博本人が玄関先までやってくるのだ。》

 政界関係者によると今でこそ「二階みかん」は宅配便で届くが、かつては事務所のインターホンが鳴って覗くと二階が段ボール箱を玄関先に置いていく姿が見えたという。濃い映像が浮かぶ。まるで笠地蔵である。