文春オンライン

「納車された自分の車に母と妹を乗せて…」“妖艶な18歳”市川染五郎の、唯一の息抜き

ハマる人#13

2024/04/06
note

 旬な人が深くハマっている趣味について聞く連載。第13回は、歌舞伎役者の市川染五郎さんが登場。ドライブが唯一の息抜きと語る染五郎さんに幼い頃からの“車への憧れ”を伺った『週刊文春WOMAN2024春号』より一部を紹介します。

◆ ◆ ◆

幼少期の頃からとにかく車が好き

 何の変哲もない地下駐車場も、一瞬で自分の世界に変えてしまう市川染五郎。歌舞伎の名跡を受け継ぐにふさわしい、その冷たく妖艶な雰囲気は人を惹きつけてやまない。

ADVERTISEMENT

市川染五郎

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では源義高を、昨年の映画『レジェンド&バタフライ』では森蘭丸を演じ、日本アカデミー賞新人俳優賞に。そんな歌舞伎の枠を超えた活躍で、いま最も多忙な日々を送る18歳が、「唯一の息抜き」と語るのがドライブの時間だ。

「幼少期、車や電車が好きになる男の子は多いと思いますが、僕の場合は電車にはあまり興味がなく、とにかく車が好きでした。当時ミニカーを数百台集めていて、道路が描かれたシートを広げ、その上を走らせていた記憶が残っています。足で漕ぐ子ども用の車で、家中を乗り回したり。上手に運転ができていたと母から聞いています。ドリフトの真似事をしていたようです」

休演日にドライブをして息抜き

 根っからの車好きとあれば、自ら車を運転したいと願うのも必然。

「一番感慨深かったのは、自分の車が納車された時。母と妹を乗せて近所を走って、やっと自分で運転できる時が来たんだと感無量でした」

 今年2月の博多座では、かねてより出演を熱望していた歌舞伎『江戸宵闇妖鉤爪』に挑戦。精神的にも体力的にも追い込まれる日々を送る中で、心の安らぎとなったのがドライブだった。

「1日だけ休演日があり、太宰府までドライブしました。ただ、急だったので8人乗りのレンタカーしか借りられなくて(笑)。良い息抜きになりました」

「一番感慨深かったのは、自分の車が納車された時」

 12月の京都南座の興行では、休演日に奈良までのドライブも楽しんだという。

「一門のお弟子さんと、男3人で2時間半かけて奈良まで行きました。仏像も好きなのでお寺巡りをしました。長谷寺で10メートル以上ある十一面観音を見た時は、もう別世界に来たんじゃないかと錯覚するぐらい、周りの空気から違っていて。道すがら『極厚カツ丼』を食べたことも良い思い出です」