大阪府知事を務める大阪維新の会の吉村洋文代表が、大阪・関西万博のリング建設に反対し、批判を繰り返していたテレビ番組のコメンテーターを“万博出禁”にするとにおわせるような発言をしたことについて、10日に謝罪し、発言を撤回すると表明した。

「僕が間違っていた」吉村氏が撤回・謝罪

「いくら政治集会の場であってとしても、僕は言い過ぎたというふうに思います。僕が間違っていたと思います。この点については撤回して、玉川さんに謝罪申し上げます」

10日、謝罪した吉村氏

10日、こう謝罪した大阪府知事で大阪維新の会の吉村代表。今回の謝罪は、万博を誘致した知事としてではなく、党の代表としてのものだ。

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発端は、開幕まで約1年となった大阪・関西万博のシンボルとして350億円をかけて設置される「リング」。その建設に反対し、批判を繰り返していたのが、テレビ朝日の番組でコメンテーターを務める玉川徹氏だ。

大阪維新の会 タウンミーティングで“万博出禁”を示唆するような発言をしていた吉村氏

「(建設中のリングが)これは本当にすごいからね。できたら、絶対これは多くの人がこのためだけに来るぐらいになるから。今批判してるね、名前言いませんけど、モーニングショーの玉川徹。今批判するのはいいけども、入れさせんとこかと思って。入れさせてくれと、『これ見たい』って言っても、もうモーニングショーは禁止ちゅうて、玉川徹禁止って言ったろうかなと」(大阪維新の会 タウンミーティングでの発言)

吉村代表は2024年3月の政治集会でこう述べ、玉川氏を名指しした上で、“万博出禁”を示唆していた。すると、この発言がネット上に拡散され、“炎上”。

 

これに対し吉村代表は、実際に出禁にする権限はなく、言論統制には当たらないなどと釈明してきたが、10日、謝罪した上で“出禁”発言を撤回した。吉村代表は、謝罪するに至った経緯についてはこう説明した。

 

「批判も受けるのが政治家ですから当然だと思います。その集会の場というのは、ある程度自由に発言できる場と僕は思っているんです。『出禁にしたろうかな』という言い方は、政治集会の場でも良くなかったと思います」

「公平に論じていただきたい」

一方で、批判的な報道に対してはこう注文をつけた。

 

「僕自身がずっと万博をやって、積み上げていっている立場で作り上げていっている立場なので、フラストレーションもたまりますけど、人間だから。超合金ではないので。放送機関としてやる以上は、賛否もある程度、ある程度は公平に論じていただきたいという思いです」

“出禁”発言をめぐっては、“大阪府知事の先輩”、橋下徹氏も苦言を呈していた。
(「イット!」4月10日放送より)