「早稲田実業学校初等部64名」「慶應義塾幼稚舎65名」などの合格実績を誇る小学校受験向け塾(幼児教室)の「AiQ(アイキュー)」が、塾に通う子供の保護者に「私たちを経由して志望校の先生に“心づけ”を渡せば点数調整ができる」などと“賄賂の斡旋”をしていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
保護者の不安と焦燥を逆手に取ってビジネスを展開
少子化が進んでいるにもかかわらず、近年の私立小学校志望者は増えている。文科省の「学校基本調査」によると、小学校の生徒数は2013年に約670万人だったが、2023年には605万人に減少。一方、同じ10年間で私立小学校の生徒数は7万8000人から8万人に増加している。
そんな中で過熱しているのが、小学校受験向けの塾市場だ。名門校では「入学にはコネが必要」と噂されるお受験の世界だが、不安と焦燥に駆られる保護者の心理を逆手に取ったビジネスを展開する塾がある。
冒頭のように、志望校の先生に“心づけ”を渡すことを塾から提案されたのは、現在、低学年の子供を私立小学校に通わせている永田裕子さん(仮名、30代)だ。
HPの「合格実績」には有名校の名前がズラリ
「(金額は)1校あたり100万~200万円だ、と」
裕子さんが子供を通わせていた「AiQ」とはどんな塾なのか。
東京商工リサーチによれば、年商は約8億円。都内に12の教室を構え、HPに掲げる「第一志望合格率」は77.6%。「合格実績」には、慶應幼稚舎や早実初等部、学習院初等科や筑波大学附属小学校など華々しい名前がズラリと並ぶ。「Forbes JAPAN」「プレジデントオンライン」などにも取り上げられたことがある有名塾だ。