そして参事官は4月中旬に帰国。シンガポール大使館は、5月1日にメディアから問い合わせを受けるまで事件について知らなかったという。
この参事官、どのような人物なのか。知人が語る。
「93年にシンガポール外務省に入省後、中国、ロシア、イスラエルなどの在外公館で勤務。ビザ発給業務など仕事にそつがないタイプ。昨春、在日大使館の前任者が急逝したため、穴埋め要員として勤務していた」
シンガポールは「外交特権の放棄を行う用意もあります」と捜査に協力的
実はこの参事官、13年前に著書を出版している。中身は「バックパックを背負った外交官」である本人が、窃盗やしつこい客引きなどのトラブルに対処しながら世界各地を旅する紀行文だ。だが、彼にとって最大の危機は今回の盗撮事件だったのかもしれない。
警視庁は外務省を通じ、本人の出頭を要請する方針だ。シンガポール外務省は次の声明を発表している。
「当該職員は調査に協力するため停職となっています。私どもは日本の当局と協力し、外交特権の放棄を行う用意もあります」
小誌記者が本人のスマホに架電したところ、既に解約済みとなっていた。