過去には大胆なヌードシーンにも挑戦
その土居が「自身の転機になった作品」として挙げるのが、林氏がプロデューサーを務め、在学中の14年に撮影した映画『二人ノ世界』(20年公開)。彼女が演じたのは、首から下が動かない主人公(永瀬正敏)の相手役、盲目の女性ヘルパーだった。
「私は学生たちに『役者はセリフこそ武器だ!』と教えてきました。だからこそ、セリフを噛んだり、とちったりすることは許されない。そんな中、難しい役柄でしたが、プロの永瀬さんを相手に完璧に演じ切りました。NHKも今回、素晴らしい役柄を彼女に与えてくれたと思います」(同前)
いまや“男装よねちゃん”がハマり役となったが、実は、そのイメージとは裏腹に過去には大胆なヌードシーンにも挑んできた。奥田瑛二主演で、京都芸術大の学生らが製作に携わった映画『赤い玉、』(15年公開)。土居が演じたのは、女優を目指す学生だ。男性にまたがり、胸を揉まれながら激しく動いてみせる。同作の監督で、当時、京都芸術大映画学科長だった高橋伴明氏が振り返る。
「教え子だった彼女を、決め打ちでキャスティングしました。オファーした時も『これは私でしょ』という様子だった。エロスを強烈に追求した作品ですが、脱ぐことも躊躇しないと思って選んだし、本人も普通のシーンと変わらず臨んでいた。劇中には『女優は男だ』というセリフもあるのですが、まさにそれを見事に体現している女優です」
「裸に関しては、別にご飯食べている感覚と一緒」
その後、映画『リバーズ・エッジ』(18年公開)でも、体当たりの濡れ場を披露した土居。20年のヤフーニュースのインタビューではこう答えていた。
〈わたしとしては脚本が1番で、別に脱ぐシーンでは左右されないというか。とにかく、その作品が面白くなればいい。裸に関しては、別にご飯食べている感覚と一緒といいますか(略)土居志央梨というよりも、その役の人物そのものと思ってもらえるように生っぽくリアルに演じていきたい〉
エロスから男装まで、作品のたびに様々な表情を見せてくれる土居。女優の世界で高く羽ばたいていく。
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