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「ボロ家ハラスメント」いなば食品に労基署が入っていた

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 会社関係者が続ける。

「人事担当者は労働条件通知書の必要性を認識していたが、社長が『必要ない』と突っぱねていた。労基署にこの点を問われ、社長は認めざるを得なかった。痛いところを突かれてしょげかえっていました。6月3日までに是正報告書の提出が求められており、細かい内容について社長と法務部が協議中です」

衛生管理に対する疑問の声に対し、環境整備を指示

 この対応で静岡本社を訪れていた敦央社長は、現場にある指示を出したという。

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「生産ラインの徹底した清掃と草刈りなどが社員に命じられました。というのも、インフルエンサーが社内からのタレコミとしてネット上に公開した不衛生な工場内の写真がバズってしまい、会社の衛生管理に対する疑問の声が噴出したのを気にしているのです」(静岡工場の従業員)

 いなば食品は5月15日付でHPを更新。〈弊社の製造するペットフードの衛生管理及び品質管理について〉と題し、工場内でどのように製品が作られているかを写真付きで紹介し始めた。

「環境整備が終わった後、社長は工場内の写真を撮ってまわっていました」(同前)

いなば食品の敦央社長

いなば食品に労基署の調査について尋ねたが、回答は得られず

 かように敦央社長が神経質になるのも理由がある。

「実は、5月28日に今度は静岡市の保健所の担当者が工場を訪れる予定がある。行政も文春報道やネットの声を無視できないようです」(同前)

 いなば食品に労基署の調査について尋ねたが、回答はなかった。

 ついに当局のメスが入りはじめたいなば食品。ツナ渡りの日々が続く。

「ボロ家ハラスメント」いなば食品に労基署が入っていた

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