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月間新人MVPの大谷翔平 カメラマンが選ぶ「TVに映らなかった5つの名場面」

2018/05/06

【名場面3】本拠地デビュー戦、派手さはないが凄みを感じた第4打席のセンター前ヒット

©田口有史

 本拠地デビュー戦、ホームラン、ライト前ヒット、三振ののちに迎えた8回の第4打席でセンター前ヒットを放つ大谷選手。オークランドでの初打席で初ヒット、本拠地初打席で第1号ホームランと、バッティングに関しても見出しになりやすい、派手なことをやり遂げてはいたものの、打者としてその能力を改めて認識させられた打席。昨シーズンから中継ぎに専念して防御率2.61、奪三振率9.6と、中継ぎ投手として開花したザック・マカリスターのストレートをセンター前に打ち返した打球の鋭さに、これは打者としても凄いな、きっとやっていけるだろうなと感じさせる打球だった。

【名場面4】ダグアウトで主力投手を自然な振る舞いでねぎらう

©田口有史

 投手としては初登板初勝利、前日の本拠地デビューは初ホームランを含む4打数3安打。フィールド上のパフォーマンスでは十分すぎる実力を示した大谷。ダグアウトの振る舞いで印象に残ったのがこのシーンだ。2回裏。この日の初打席に向けてダグアウトで打席への準備をしていると、先発投手のタイラー・スカッグスが隣に座る。すると左のエースとも言える主力投手に、自ら拳を合わせてピッチングをねぎらった。その自然な表情と立ち振る舞いに、メジャーリーガーとして、またチームの一員としてすっかり馴染んでいることが垣間見えた気がした。

【名場面5】本拠地初先発でオルソンを三振にとってガッツポーズ

©田口有史

 本拠地デビューから3試合連続ホームラン。打つ方で地元のファンに大きくアピールをしたのちに迎えた本拠地初登板。ほぼ満員の4万人以上の観客が詰めかけるなか、圧巻の投球。7回途中までパーフェクトに抑えていたが、1アウトから、4月1日の初登板で対戦して三振に斬ったマーカス・セミエンにヒットを許し、さらに続くジェド・ロウリーに四球を出しピンチを招く。その後、4番クリス・デービスをピッチャーゴロ。2アウト2、3塁としてから、昨シーズン、5試合連続ホームランを放っているマット・オルソンを迎えた場面。三振を奪った大谷は、珍しく雄叫びをあげる。プレー中はあまり表情を出さない選手と思っていたが、周りのカメラマンたちも「あれ? 今、叫んだ?」と、思わず驚いたガッツポーズだった。

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