「私自身は全く聞いたこともありません。」
日本酒が好きで酒癖が悪く、酔うとこんな裏の顔を見せることも。
「口が悪くなって女性記者でも構わず『バカ』とか『そんなんじゃ取材できないぞ』などと暴言を吐く。カラオケが好きで、自分は十八番のアニソンばかり歌うのに、他人の曲はまだ1番なのに勝手に切ってしまう。恐妻家でも知られ、泥酔した後には『妻に怒られた。口もきいてもらえない』とぼやいていたこともあった」(前出・記者)
では、逮捕容疑となった北川の蛮行は、なぜ5年間も明るみに出なかったのか。北川の大阪地検検事正時代の“上司”にあたる、元大阪高検検事長の上野友慈弁護士を直撃した。
――北川氏について。
「報道で衝撃を受けています。報道によると、私が彼の監督者の立場だった時の事件ですから。個人的にも若い頃から知っていますし、信頼していました」
――在任当時、性被害についての噂はあった?
「私自身は全く聞いたこともありません。もしそんなことがあればちゃんと調査しています。本当にそういう被害があって、私に届いていなかったとしたらとても残念です。ただ『知らない』で済むのかと言われると、確かに……」
あくまで知らなかったとする当時の高検トップ。検察関係者が語る。
「被害女性はこれまでも何度か、『許せないから訴えたい』と言っては『やっぱり訴えるのはやめる』というのを繰り返していたようです。長らく燻っていた中、今年に入ってから大阪高検が捜査を始めた」
目玉人事の就任
さらに、逮捕のタイミングには検察人事が影響していたとみられている。
「7月9日付で、畝本直美東京高検検事長が女性初の検事総長に就任することが明らかになりました。そんな目玉人事の初っ端に、よりによって検察内での性的暴行などという不祥事を出すわけにはいかない。そこで、同日付で辞職する甲斐行夫検事総長の在職中に片づけた格好です」(同前)
A4一枚の発表文が覆い隠す真実はあまりに重い。
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