その日は14時試合開始のデーゲームだった。午前8時過ぎに眠い目を擦りながらZOZOマリンスタジアム入りするとSNS担当者から興奮気味の連絡が入った。「Twitterにこのような投稿がありました。見てください」。それは昨夜4月28日の午後10時07分に投稿されたあるTwitterの一文だった。
「広島が血液に染み込んでいるカープファンですが、同姓という特殊事情でロッテの有吉投手も応援しています。何卒お身体ご自愛ください。」
広島が血液に染み込んでいるカープファンですが、同姓という特殊事情でロッテの有吉投手も応援しています。
— 有吉弘行 (@ariyoshihiroiki) 2018年4月28日
何卒お身体ご自愛ください。
まさかのエールにお祭り騒ぎ
???。自分の脳がまだしっかりと起きていないせいもあったのであろう。2、3回読み直したがあまりSNS担当者が朝からお祭り騒ぎのように騒ぎ立てて、報告をしてもらうほどの驚きの感情は、とっさには湧き出なかった。通常は広島ファンだけど、千葉ロッテマリーンズのセットアッパーとして活躍する2年目右腕の有吉優樹投手と名字が一緒だから応援してくれているというありがたいファンの方からのメッセージ。それはもちろん嬉しくて心温まる出来事である。なるほど、まあ、そういったことをキッカケに普段は違うチームを応援しているけど、その選手に感情移入をしてくれることもあるよなあという受け止め方だった。でも、やっぱりSNS担当者が朝一番から凄いテンションで報告をしてきた事が気になって、もう1回、文面を、今度はより丁寧に読み返すことにした。
投稿主はなんとテレビで見ない日はないというほどの人気のお笑い芸人・有吉弘行氏ではないか。名前の横に公式マークを意味するチェックマークが付けられているから本人のものであることも間違いない。有吉弘行氏といえば、投稿文にもあるように広島県出身で熱烈な広島ファンとして知られている。そんな大のカープ党の人気芸能人による突然の投稿。なぜ中継ぎとして53試合に投げて防御率2.87と新人王並みの活躍をしたルーキーイヤーの昨年ではなく今このタイミング? という疑問は一瞬、湧き出たものの、それはさておきのありがたいエールである。これがSNS上で拡散され、100件以上のリプライ、3400以上のリツイート、1万8000以上の“いいね”と大きな反響を呼んでいたのだ。そしてその中でエールを送った相手こそがマリーンズのアリエッティこと頼れる右腕・有吉だった。