「信じられないです……」本人も驚愕
この突然のメッセージをさっそく球場内の食堂で練習前の腹ごしらえとばかりにフルーツを口にしていた本人に伝えた。こちらもやはり私が最初に報告を受けた時と同じようにキョトンとしていた。「本当ですか? 信じられないです……」。半信半疑の張本人にスマホでその投稿を見せ、初めて現実に起きたことであることを理解してもらった。この後、満面の笑みとなった有吉は千葉ロッテマリーンズ球団公式Twitter(フォロワー73万人)を通じて、「めちゃくちゃ嬉しいですね! 有吉さん、ボク頑張って投げますので応援よろしくお願いします!」とメッセージを返し、これがまたファンの間で話題となった。
有吉は元々、昨季までは有吉弘行氏がお笑いコンビ『猿岩石』時代にリリースした『白い雲のように』を登板時の曲に使用していたほど。このエールが届くまで今季は11イニングを投げて自責点は8点となかなか本来の投球を見せることが出来ない苦しい日々を送っていた。しかし、同姓の大物芸能人の声援を胸に刻んで臨んだ4月29日のファイターズ戦はビハインドの場面で登板をすると強気のピッチングで2回を投げて被安打1、無失点。結果的にこの投球がマリーンズに流れを引き寄せ、チームはその後、逆転。チームの勝利に大いに貢献した。その後も本来の投球を取り戻しつつあるなど、大きな転機とした。
「やっぱり嬉しかったですよね。偉大な人ですから。注目をしてくれていると思うと励みにもなります。これからも頑張らないといけないです」
ちなみに有吉弘行氏が愛してやまない広島との交流戦での対戦は6月1日~3日(ZOZOマリンスタジアム)である。背番号「36」が登板する機会があれば、きっと特別な思いで見てくれるだろう。もしかしたらまたTwitterで投稿があるかもしれない。そう思うだけで今からその時が楽しみだ。そしてタフネス右腕・有吉もまたあの日のエールを胸にこれからもチームの勝利に貢献すべくマウンドに上がり続ける。
梶原記章(千葉ロッテマリーンズ広報)
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