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「練習は嘘をつかない」 好調ライオンズで結果を残す選手の共通点

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/05/17
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秋山翔吾が常に100%の力で振る理由

 練習といえば、西武では秋山選手の熱心さが有名である。2015年にシーズン216安打という日本記録を樹立、昨季首位打者だが、未だに練習量はチーム屈指と言っても過言ではないだろう。また、量だけではない。毎試合前の全体練習への意識も非常に高い。アップやアジリティーに対しても、決して手を抜くことはなく、打撃練習では常に100%の力で振ることを心掛けている。

「100%に近い力で振ってれば、その“100%”が伸びる可能性があるけれど、もし80%、60%、40%ぐらいで振っているとすれば、それがどんどん100%になっていくところもあると思う。それだと、衰退を早めてしまうと思うので」

 試合数が増え、少しずつ数字が落ち着いてきた中、打率はリーグ2位の.361、安打数は同1位タイの52本(5月15日終了現在)と、やはり、今年も成績上位に名を連ねているのは、そうした不断の取り組みの賜物だろう。

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チーム屈指の練習量を誇る秋山翔吾 ©文藝春秋

 また、投手ではエース・菊池雄星だ。現在、左肩の機能低下のため二軍で調整中だが、その期間も症状の原因と改善策、より一層の進化への追求に余念はない。エースという立場上「できれば離脱したくなかった」と、苦渋の決断だったが、「10月、11月を考えて逆算した時に、そこで最高の状態でチームに貢献するためには、思い切って答えを出した」と明かす。だからこそ、「戻るからには、100%の状態にしてからにしなければいけない」。できる範囲での最大限のトレーニングに励んでいる。

 もちろん、練習量が全てだとは思わない。ただ、近年、いかに無駄を省き、効率的に物事を行うかが美徳とされている風潮がある中で、「野球の悩みは、野球でしか解決できない」(秋山)と、貪欲に、結果を求めて人一倍練習に励む選手が、やはり、タイトル受賞や念願を叶えられたりするものなのだと、ここ数週間の取材を通して改めて痛感した。同時に、不器用で不効率な人間である筆者にとっては、とても励まされた。

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