アンコールは最高7回
坂崎 1998年には阪神淡路大震災チャリティの日本代表として、かつて、ビートルズやローリング・ストーンズがライブをやったニューヨークのフォレスト・ヒルズ・スタジアムに招かれた。サイモン&ガーファンクルが解散コンサートをやった場所でもあった。
桜井 そこでサイモン&ガーファンクルの曲を3曲カバーでやったけど、向こうの人たちの前で彼らの曲を歌うのは、ものすごく緊張したよ。
高見沢 1999年にはベルリンでもライブをやった。あのときも音が大き過ぎて中止命令が出ちゃった。
坂崎 ライブでは時にトラブルやハプニングも起こるけど、僕らは昔から番組の公開収録に出たり、売れない頃、研ナオコさん、かまやつひろしさんのバックバンドをやっていたおかげでかなり鍛えられていた。かまやつさんのライブなんて、自由度100%だから。
高見沢 もう時効だけど、昔、公開収録で豪雨になっちゃって、メインだったアーティストが「これじゃできない」と先に帰っちゃって、急遽代役を任されたよな。
坂崎 「ALFEEなら何とかしてくれる」と思われている節はあった。そういう対処法はかまやつさんにたくさん教わっていたし。
高見沢 かまやつさんも途中で帰っちゃったことあったな(笑)。
坂崎 昔の僕らは、アンコールの曲も事前に決めていなかった。
高見沢 その場で曲を決めて、アンコールがかかっている間、ずっと応えたこともあったね。
桜井 最高で7回はやったかな。
坂崎 最後はスタッフに「もう無理です」と言われてようやく終演。
高見沢 打たれ強さと臨機応変では、誰にも負けないバンドだったかもしれない。
(取材構成 内田正樹)
◆
本記事の全文は、「文藝春秋」2024年9月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています( 桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦「THE ALFEE デビュー50年『時効の話』」)。
全文(8000字)では、THE ALFEE(アルフィー)のメンバー3人が出会いから50周年に至るまでのエピソードを語っています。
【文藝春秋 目次】芥川賞発表 受賞作二作全文掲載 朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」 松永K三蔵「バリ山行」/神田前財務官「日本はまだ闘える」/睡眠は最高のアンチエイジングⅡ
2024年9月号
2024年8月9日 発売
1580円(税込)