美容外科大手の東京中央美容外科(TCB)が、高額契約を迫り次々とトラブルになっていることが「週刊文春」の取材で分かった。契約を考えている患者に対して、数時間にわたり院内の個室に留まらせるという。
TCBとはどんな企業か。大手紙記者はこう解説する。
「2014年12月に福島県で医師の青木剛志氏が創業。2023年9月には美容外科業界最速の8年9カ月で、全国100院を達成しました。24年2月期の売上高は680億円を突破し、湘南美容クリニック(SBC)に次ぐ大手クリニックに成長しました」
「あの空間にいたら、洗脳されてしまい……」
そんな急成長クリニックについて「週刊文春」は、社内で行われている新入社員の“一斉クビ切り”、理不尽すぎる罰金制度などを報じてきた。
そして今回、取材を進める上で分かったのが「監禁され高額契約に至った」と患者やスタッフが証言するようなトラブルが相次いでいることだ。
2022年夏、東京にあるTCBのクリニックを訪れた30代の患者Aさんが語る。
「3時間、カウンセリング室に閉じ込められて、監禁されました。あの空間にいたら、洗脳されてしまい……」
Aさんはもともとクーポンで数千円のエラボトックス注射のみを希望していたが、他の顔の欠点を営業担当の「カウンセラー」から指摘され、総額120万円を請求された。プランの中には「糸リフト」「鼻メッシュ」「クマ取り注射」などが加えられていた。長時間の営業に根負けし、結局100万円を払ったAさんはその後の効果についてこう語る。
「一番酷かったのは『糸リフト』で、次の日から右の頬がパンパンに腫れて、ものが食べられなくなりました。耳鼻科に行ったら、糸が耳下腺を傷つけたと診断された。クマも逆に凹みが気になるようになり、鼻は最初から変化がわかりませんでした。おカネをドブに捨てたようなものです」
「3時間拘束されて、水の一杯も出なかった」
同様に“監禁”され、100万円超の額を提示されたBさんはこう語る。
「3時間拘束されて、水の一杯も出なかった。終始、客を信用していない感があったし、カウンセラーの目は死んでいました」
Aさん、Bさん以外にも「週刊文春」には似たような営業をしていたという証言が全国各地から、時期もバラバラで複数寄せられている。
事実関係についてTCBを運営するメディカルフロンティアに確認を求めたが、期日までに回答はなかった。
では、なぜTCBはこのような営業を行うのか。その背景にあるインセンティブ制度や驚くべき営業手法の裏側とは? 現在配信中の「週刊文春電子版」では医師、受付、カウンセラーなどの証言を交え、詳細を報じている。
美容大手「東京中央美容外科(TCB)」が行う衝撃の“閉じ込め”商法「契約しないと出られない雰囲気で…」「100万円を請求」《医師、患者、カウンセラー、受付が連続証言》
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