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本来の目的を見失わないように

田内 でも、30~40年前を振り返れば、個人が投資なんてしなくても日本は成長していたんです。預金をするだけで8~9%の利息がついた時期もありましたから。

野宮 バブルの頃?

田内 ですね。60年代の高度成長期もそうでした。そもそも「金融」って、「お金を融通する」ことなんです。個人から預かったお金を銀行が融通してあげることで企業が新しく工場を作る、新しい研究開発をする、それで儲かったお金が融資の利息や配当などに回っていく。昔はそれでうまくいってたんです。

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 でも、1999年以降、金利が低い状況が続いているのにお金を借りて新しく何かを作る人が出てこなくなった。すると銀行は儲からない。預金してもらっていても、貸す相手がいなければどうしようもない。じゃあ、預金者に投資商品を買わせようと。で、みんながわーっと株を買って、どんどんマネーゲームになっていった。

 でも考えてみてください。みなさんのゲームの目的は?

渡辺 老後の資金です。

 

●退職金を一度にもらうか年金型にするか迷うサラリーマンへのアドバイスや、田内さんがゴールドマン・サックスを2019年に退職した理由や初恋の相手と結婚したエピソード、若い人への「投資されるような人になってください」というメッセージに込めた思いなど、座談会の全文は『週刊文春WOMAN2024秋号』でお読みいただけます。

文・辛島いづみ 写真・釜谷洋史 ヘアメイク・三上津香沙(渡辺)

田内学さん お金の向こう研究所代表
たうちまなぶ/1978年生まれ。2003年東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。ゴールドマン・サックス証券で16年間、日本国債や円金利デリバティブなどのトレーディングを行う。退職後に執筆活動を始め、2023年『きみのお金は誰のため―ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』(東洋経済新報社)を上梓。

のみやまき/1960年北海道生まれ。ピチカート・ファイヴのヴォーカリストとして90年代渋谷系ムーブメントを起こす。モバイル・ファンクラブ「おしゃれ御殿」好評募集中。
www.missmakinomiya.com
​インスタグラムアカウント @missmakinomiya

まつもとたかみ/1965年大阪府生まれ。80年代後半、ソニーなどの名CMでCM女王と呼ばれる。本人がプロデュースした更年期世代の女性に嬉しいアイデア満載の『大人の女史会』×「natiaral」のコラボアパレルが発売中。
​インスタグラムアカウント @t_mimi1414

わたなべまりな/1970年東京都生まれ。86年、おニャン子クラブでデビュー。翌年の解散後も歌手、タレントとして活躍。2000年代には台湾旅、ピラティスのブームの火付け役にも。
​インスタグラムアカウント @funnyfacefunny

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