1ページ目から読む
2/2ページ目

時代考証はどういう流れで?

 ドラマはドラマとして楽しむとともに、私は史実と異なる設定に歯止めをかける役割を担わなければならないと考え、時代考証を引き受けることにした。ただ誤算だったのは、近年は毎年3人で分担している時代考証が、今年はどうも私1人しかおらず、1人で担わなければならなくて、まことに大変な仕事となっていることである。

「光る君へ」の一場面(NHK提供)

 まず脚本を作る前に「際限のない」メールのやりとりによって質問に答え、それを勘案して台本の草案を書いてもらう。そのファイルを読んで、ここは史実に合わないという箇所に赤を入れて返信することを何度か繰りかえし、最初の台本ができる。