最新話が公開されるたびに話題となる、新潮社のWEB漫画サイト「くらげバンチ」で連載中のコミックエッセイ『真・女性に風俗って必要ですか?~女性用風俗店の裏方やったら人生いろいろ変わった件~』(著・ヤチナツ)。
女性用風俗店(以下、女風)の内勤スタッフの藤崎あかり(30)を主人公に、“限りなくノンフィクションに近い”と謳う本作は、何度も取材を重ねたうえで制作にあたっているという。
エピソードはすべて取材で見聞きしたもの
「作者のヤチナツさんと取材をはじめて3年ほどですが、本当にたくさんの女風の関係者に取材させてもらいました。全国に店舗を構えている大手から中~小規模のお店も回り、お店のオーナーや男性セラピスト、主人公と同じような女性の内勤のスタッフさんにもお話を伺いました。SNSのメッセージで取材依頼をして、実際にお客さんとして利用している女性を探してお話を聞くこともあります」(担当編集の新潮社・伊東さん。以下同じ)
取材を始めてから「想像以上に色々な方が利用されていると分かった」と語る伊東さん。性交痛やセックスレスに悩む女性、セラピストを部屋に閉じ込めてしまった常連客、マンネリに悩んだ夫婦、芸能人など、本作には実際にさまざまな理由から女風を利用する人々が登場する。
「女風のPR漫画にはしない」
「主人公をはじめ、登場するのはみな架空の人物ではありますが、エピソードはすべて取材で見聞きしたものです。時には『こんなの嘘でしょ』と言われることもあるのですが(笑)。たとえば恋人のことはすごく好きだけど性行為は苦痛であるとか、切実な悩みを解決するため苦肉の策として利用したという方もいました。女性用風俗の認知度は年々高まっていますが、性的欲求の解消だけが目的という人はそれほど多くないように思います。
多様なエピソードを扱う上で意識しているのは『女風のPR漫画にはしない』ということ。『素晴らしいサービスなんですよ!』『使ってみましょう』と言うつもりは全くなくて、女風のいい面も悪い面も、偏らずに描いていけたらと思っています」