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「推薦確認書」への署名も

 三重3区の石原正敬氏は、2021年10月9日に集会所で「石原まさたか支部長後援会 敬世会」を設立したとして写真が掲載されている。

ガッツポーズで写真に収まる石原正敬氏(内部資料より)

 議員の名前の1字と「世」を合わせて後援会名とするのは、統一教会の常套手段だ。石原氏署名入りの「推薦確認書」の写真も掲示され、「平和連合5項目」すなわち、(1)憲法改正と安全保障体制強化、(2)家庭教育支援法と青少年健全育成基本法の制定、(3)同性婚合法化の慎重な扱い、(4)日韓トンネル実現推進、(5)共産主義勢力などへの攻勢阻止に同意している。

 こうした推薦確認書への署名は事実上の「政策協定」とみられ、単なる選挙応援を超えた政策への影響が危惧されているのだ。統一教会では、推薦確認書への署名を条件に推薦状が授与され、推薦確認書に記された政策の実現に取り組むという条件で教団側が選挙支援を行う仕組みであることが、これまでの報道からも明らかになっている。

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 石原氏はこれまで、友好団体の講演会に出席し挨拶したことのみ認めた上で「旧統一教会の友好団体の主催だという意識はなかった」と釈明しているが、自身の後援会の結成と推薦確認書への説明については言い逃れできないだろう。石原事務所にも再三にわたり回答を求めたが、期日までの回答は得られなかった。

議員の自己申告がいかに虚しいものであったか

 ――自民党による再調査ではもはや足りない。第三者委員会による調査、国政調査権による調査が必要な段階にある。現在行われている衆院選は、自民党が統一教会との「関係断絶」を打ち出してから最初の国政選挙だ。だが、議員たちの自己申告がいかに虚しいものであったか、この内部資料を見れば一目瞭然だ。統一教会信者たちによる献身的かつ組織的な選挙運動が、今回の選挙では行われていないと、誰が断言できるのだろうか。

  自民党本部は次のように回答した。

「自民党は、旧統一教会ならびに関連団体と一切関係をもたないと宣言したとおりです。ご指摘の内部資料の詳細につきましては、党本部ではお答えしかねます。個別の事例については各議員にお尋ねください。新たな事実が判明した際には、各議員より党本部に報告をすることになっております」

石破首相はどう対応するのか ©時事通信社

 世界平和連合(FWP)にも事実確認を求めたが、期日までの回答は得られなかった。

「一切関係をもたない」

 この宣言を誰が信じられるというのか。

文藝春秋 電子版」の記事、「全公開『極秘 旧統一教会内部資料』33ページ 2021年衆院選、旧統一教会に支援された自民候補者実名リスト」には、石破茂内閣の現役閣僚や副大臣、政務官と統一教会との関係を示す“決定的証拠”となる衝撃的な写真が多数掲載されている。

 加えて、統一教会による中部地方議員の“格付け”の詳細や「全員当選」のための具体的選挙戦略が詳述されている。