ジャーナリストの鈴木エイト氏が入手した世界平和統一家庭連合(旧統一教会。以下、統一教会)の衝撃的な内部資料が自民党陣営を揺るがしている。

 統一教会のフロント組織「世界平和連合(FWP)」の中部地区常任講師のS氏が作成した33ページにわたる内部文書『激動の2021年「政治決戦 総選挙と日本の行方」』は、前回2021年衆院選での自民党候補者に対する統一教会の“強力な選挙支援”の実態を浮き彫りにした。

旧統一教会の“強力な選挙支援”の実態を浮き彫りにした内部資料

文藝春秋 電子版」が10月23日に報じた鈴木エイト氏の論稿「全公開『極秘 旧統一教会内部資料』33ページ 2021年衆院選、旧統一教会に支援された自民候補者実名リスト」では、婦人部や青年部、壮年部までが時間制で電話掛けやビラ撒きを行う“総力戦体制”や、愛知県から新潟県に至る「中部地区」候補者の“格付け表”、さらには、自民党議員と統一教会との関係を示す“決定的証拠写真”が掲載されている。

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 10枚以上ある写真のうち、教団による組織的な選挙支援や政策協定の証拠となる「推薦確認書」「推薦状」とともに撮影されたものを紹介しよう。

シンボルマークの入った「推薦状」を授与

 岐阜4区の金子俊平氏(前財務大臣政務官)は、選挙事務所で教団関係者から世界平和連合のシンボルマークの入った「推薦状」を授与される様子が写されている。金子氏はこれまでの調査や取材に統一教会との接点を一切認めていない。

シンボルマークの入った「推薦状」を授与される金子俊平氏(内部資料より)

 21年選挙で「推薦状」を取り交わしたか編集部から質問すると、金子事務所は「そうした事実はございません。こちらの事務所では選挙期間だけでなく普段から旧統一教会との付き合いがなく、当事務所から電話がけをお願いするようなことは実態から考えてありえないです」と回答。

 写真を提示すると、「出陣式開始直前にできる限り多くの方と挨拶する機会をいただいていた時、自由参加かつ自由撮影の状況下で、持参されたカメラで撮影した写真と思われます。こちらが正式にお受けした推薦状はすべて壁に貼り出したうえで、一覧表も作成し記録してあります。少なくともこちらにとって正式に推薦頂いた団体という認識はございません」と追加で答えた。

 しかし、本人の真横で掲げられた金子俊平殿宛てのロゴ入り推薦状は正式のものではないという説明に、有権者は果たして納得できるのだろうか。