「絶対それはしない」モノマネ芸人としての“線引き”
――ああ、なんかわかるようなわからないような(笑)。
元木 僕を発見することはないと思うんですけど、こいつに見られてると思ったらあんまりいい気はしないだろうなと。だから、あくまで木村さんだけを追ってる感じですね。
――他にはそういう「線引き」ってあるんですか。
元木 そうですね。中にはコンサートなどにご本人の格好をしていって、その方のファンにキャーキャー言われたいそっくりさんもいるんですけど、絶対それはしないですね。木村さんの格好をして、写真を撮られにいくみたいなのは絶対にやらない。コンサートは行くんですけど、それはもうただ木村さんのコンサートを楽しみに行っているので。
――自我を出さない。
元木 そういう余計なことはしないです。まあ、自分の中の礼儀みたいなものなんですけど。ずっと(モノマネを)してる方はあんまりそういうことはしないと思いますよ。
モノマネをするにあたり大切にしていること
――お話を伺っていると、木村さんはすごく「余白」を持ったタレントさんなんだなと。実際はわからないけど、木村さんだったらこういうことを言うんじゃないか、やるんじゃないかみたいな、そういう想像の余地がすごくある方なんですね。
元木 いや、そうなんですよ。木村さんはドラマでも、どうしたらかっこよく見えるかをご自身で考えながら、それを見せてくれてる気がします。たとえばこのアイスコーヒーを飲む時、普通の人はただ普通に飲む。だけど拓哉さんは飲んだ後に……苦味があるぜということが伝わるような表情を1個はさんでくれる。我々はそこにツッコミしつつ、やっぱりカッケーなってなる。
――すごいサービス精神ですよね。
元木 そうなんですよ。そんなの見せられた日にはもうやるしかないじゃないですか、僕的には。最近でいうと、あのハンバーガーの持ち方とか。
――ああ! あのツーシーム投げそうな握り(笑)。
元木 そういう発見があるとうれしくなってネタにしたくなります。
――元木さんが木村さんのモノマネをするにあたり、何を大切にされていますか。
元木 かっこつけをやったとしても、最後は笑いで終わりたいですね。かっこつけて指パッチンしようとするのに鳴らない、とか(笑)。
一度インスタで「キムタクメイクからのスッピン」っていうのをやったんですよ。ウケると思って。そうしたら、ものすごい勢いでフォロワーが離れていきまして(笑)。これがほんとの「ちょ待てよ」だなと。