ツイッター(現X)のサーバーがダウンするほど多くの人々に衝撃を与えた『SMAP×SMAP』生放送での公開謝罪、そして解散。木村拓哉モノマネ芸人として生きていくことを決めた元木敦士(41)にとってもそれはまた1つの大きな転機となる。パニックに陥ったファンから送られた悲痛なDM、SMAP再結成を望む1人のファンとして元木敦士が夢見る景色。「本当は誰も木村拓哉になんてなれない」と言う彼がそれでも木村拓哉を追い続ける理由を訊く。(全3回の3回目/1回目から読む

“木村拓哉そっくり”芸人・元木敦士さん ©佐藤亘/文藝春秋

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ファンから「どうなってるんですか?」「いつ再結成するんですか?」とDMが…

――SMAPが解散したのが2016年、既に木村さんのモノマネをしていらした元木さんは当時SMAPの解散をどのように受けとめたのでしょうか。

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元木敦士さん(以下、元木) ほんとの真相なんかはわからないし、もちろんショックはありましたけども、ご本人同士が話し合ってそう決まったのなら、もうしょうがないなという割り切りはありましたね。僕自身も、何十年も芸歴があるお笑いコンビが解散していくのを見てきましたから。

 でも当時ファンの方は本当にどうしたらいいかわからなくなったみたいで、僕にDMで「どうなってるんですか?」「いつ再結成するんですか?」って送ってくるくらい。いや、気持ちはすごくわかるけど……俺、何にも知らんし、すいません、みたいな。

――ものまねSMAPはそれでも活動を続けている。

元木 9月9日がSMAP結成日で、毎年イベントがあって。たまにファンの方の集まりに呼んでいただけたりするんです。やっぱりファンの方は復活を待っている。僕らはその箸休めになれればいいなという感じです。

 

仕事としてのモノマネをやめても、木村さんの真似をし続ける

――木村さんも世代を超えたスターですし、SMAPも世代を超えたグループでしたもんね。アイドルに興味がない人もSMAPは好きって人たくさんいました。

元木 あの5人が揃うと最強なんです。それぞれ色が違うあの5人が。

――元木さんは木村拓哉さんただ1人をずっとモノマネしていこうと決めていて、それって木村さんと心中じゃないですけど、人生を共にしていくということですよね。

元木 そうですね。

――SMAPの解散も単なる芸能ニュースではなかったのかなと。自分の仕事の方向性がこれから変わっていってしまう怖さはなかったですか。

元木 ああ。でも、お仕事としてやらせてはもらってるんですけど、そのずっと前から木村さんと同じ服を通販で買ったり、髪型を真似したり、立ち振る舞いを研究したりしてたんですよ。僕がもし仕事としてのモノマネをやめても、ドラマの木村さんを見たら真似してると思います。それはもう変わらないのかなと。別に仕事がなくてもやってるとは思いますね。