1ページ目から読む
2/3ページ目
大沢 監督の現場は、ほとんど自分の素のままでいられる楽しさがあります。
森井 2年前の『こちらあみ子』のとき一菜は10歳で、ひたすら遊んでいる合間になんとかカメラを回しました。今回はすこし大人になりつつ、この取材での様子も含めて、一菜はずっと真っ直ぐです。
綾瀬 台本のハルの言葉が本当に真っ直ぐで、なんて優しいんだろうと心打たれて、私はオファーをお受けしました。
生と死を混ぜ合わせた演出
─亡霊のようなおじいさんが現れるなど、詩的でユーモラスなシーンが目白押しです。
森井 映画を通じて生と死を混ぜ合わせて遊びたい、というのは私の個人的な願望ですが、おふたりに何の説明もしなかったですよね?
大沢 うん、何も気にしないで、人として接してた。
綾瀬 たしかに、あれは誰だったんだろう?(笑) 旅をしていたらいつの間にか一緒にいた、という感じでした。のり子を演じるにしても、本当にただそこにいることを大事にしてくださる演出が本当に好きで、自分が10代の頃の演技の感覚を思い出しました。
大沢の「自由ノート」
─なるほど。先ほどから気になっているんですが、大沢さんの手元にある「自由ノート」というのは何でしょう?
大沢 取材を受けるときに、うまく答えられるように準備したカンペノートです。
綾瀬 すごい、たくさん書いてある!(覗き込む)
大沢 (隠しながら)わっ、危なかった! 監督にだけ見せようかな……。
綾瀬 何なに?
森井 (ノートに書かれた一節を見ながら)隠す必要なくない? じゃあ私から聞こうか、大沢さんは将来どうなりたいんですか。
大沢 (照れながら)……綾瀬さんみたいにアクションができる人になりたいです。
綾瀬 わあ、楽しみ!