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 Nシステムとは「自動車ナンバー自動読取装置」のことで、走行車両のナンバーを記録したり、車種や同乗者の顔まで映像で確認できたりする装置のことを指す。Nシステムの映像を確認した際に不審な動きをしていた車両を見つけ、それが矢野のものであったとされる。

Mさんの葬儀は悲しみに包まれた ©時事通信社

カメラには解体に用いたであろう文化包丁や自宅風呂場の写真が…

 これらの情報を元に、警察は2016年の夏頃から矢野の実家や勤務先本社に捜査員を派遣し、同年10月には益田市で矢野が住んでいた一軒家を家宅捜索する。同10月28日には関係先から矢野が所持していたUSBメモリを押収し、さらに11月22日には同じくデジタルカメラを押収した。

 USBメモリとデジタルカメラはデータが消去されていたが、警察は合計57枚もの写真のデータの復元に成功。そこには被害者の遺体や、解体に用いたであろう文化包丁、益田市内の自宅風呂場、自室などを写した写真が確認された。

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 だがこれだけの証拠を得ても、警察は矢野を逮捕することはできなかった。

 なぜなら、矢野はすでに死亡していたからだ。