「目的や意味を確実に理解していなくても暴力を振るってしまう。青少年の集団による暴力事件の大きな特徴だろう」
「その時の雰囲気に飲み込まれるように暴行を働いてしまうようなこともある」(いずれも東京未来大学 出口 保行 教授)
■残虐な犯行
長谷さんに暴行を浴びせた6人。
さらに…
「金払え」(八木原容疑者と少年)
6人は暴行の最中に長谷さんからクレジットカードとキャッシュカードを強奪。
八木原容疑者と川村容疑者は市内のコンビニへ向かい、長谷さんから奪ったクレジットカードでたばこ30箱以上と食料品を購入していた。
さらに暴行の中で長谷さんから衣服までも剥ぎ取った6人。
容疑者の1人を知る関係者はこう証言する。
「ケンカで勝ったら相手の服を脱がせる奴だった」(容疑者の1人を知る関係者)
数時間に渡る暴行の末、変わり果てた長谷さんを現場に放置し、川村容疑者ら5人は車で逃走。
さらに道すがらコンビニに寄り暴行中に長谷さんから聞き出した暗証番号を使ってキャッシュカードでATMから現金12万円以上を引き出していた。
残高は数百円ほど。
長谷さんの命に加え金品まで奪い尽くし、その後カードや長谷さんの所持品を札幌市内の川へ遺棄したとみられている。
「集団内での暴行はエスカレートをたどる。自分が当初想定していた以上に手を出してしまったり足を出してしまう」
「被害者は『1人』。一方で暴行を加える側は『集団』。被害者を絶対的に支配しているような感覚に陥る。それが万能感のような『自分が圧倒的に強いんだ』『何でもできるんだ』という気持ちを呼び起こしたか」(いずれも出口教授)
■「死刑・無期懲役」は?
若くして命を奪われてしまった長谷さん
共謀による悪質性の高い行動が次々と明るみになってきた6人。
強盗よりも罪の重い強盗致死罪適用の可能性はあるのか。
「自然に考えれば強盗致死罪が成立する可能性が高いと思う。一連の暴行の中のどこかで強盗事件に発展したとしてもそれを全体としてひっくるめるというのが通常の考え」(磯部 真士 弁護士)
成人の場合、法定刑が死刑・無期懲役に限られる強盗致死罪。
直接手を下したことを否定する八木原容疑者についても。
「その強盗行為をおこなったのが八木原容疑者自身でなくても、他の仲間たちがそのような意図や行為をしているという認識をして、その了解のもとでさらに犯行を継続したという状況があれば、八木原容疑者も共謀に基づく強盗致死罪が成立することになる」(磯部 弁護士)
若者6人による凶行の裏には一体何があったのか。
警察が全容解明を進めている。