11月22日午後4時、ソニーフィナンシャルグループ株式会社(以下、SFGI)は少額短期保険を扱うjust In Case社(以下、just社)を子会社化することについて合意したとのプレスリリースを発表した。
遠藤氏が語った自身に向けられた“疑惑”
実はこのM&Aを巡って、グループ内では“ある疑惑”がささやかれているという。小誌取材班は、その疑惑について聞くべく、11月22日午前7時、SFGIの遠藤俊英社長(65)を直撃した。記者が、「just社を今月末に買収するのか?」と問いかけると、「いやいやいや。コメントはできないですよ」と言葉少なに答えた。だが、
「(just社を)高値で買収するように遠藤さんが指示されたと伺いました」
記者がこう質問をぶつけると、遠藤氏は自身に向けられた“疑惑”について、雄弁に語り始めたのだった――。
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記者の直撃から9時間後の11月22日午後4時、SFGIはjust社を子会社化することについて合意したとのプレスリリースを発表した。
経済部記者が解説する。
「SFGIはソニーグループが100%の株式を所有する完全子会社。ソニー銀行やソニー生命などを従え、ソニーグループの金融部門を担っています。2024年3月期のグループ連結経常収益は3兆4503億円で業界10位の巨大金融グループです。
そんな同社が、売上規模わずか3億円のjust社を買収すると聞いて違和感を覚えました。今回の発表では、just社の株式を100%取得する予定としています。just社は2016年に代表取締役の畑加寿也氏が創業。デジタル技術を活用したインシュアテック企業として知られている。保険会社が支払った保険金を契約者で割り勘するP2P保険を販売した日本初の企業です」
SFGIのプレスリリースには、「SFGとして少額短期保険事業に参入し、グループ各社との連携により、生損保の垣根を超えた新しい保険商品・サービスの開発、提供を目指してまいります」と記載されている。だが、「子会社化の具体的な時期や買収金額については一切触れられていません」(同前)。