11月29日に東証グロース市場に上場した「テラドローン」(東京都渋谷区)が、2017年度に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの助成金約2900万円を不適切に受給していたことが「週刊文春」の取材でわかった。同社はすでに助成金を返金している。
アジア企業で初めてサウジアラムコから出資を受けた
テラドローンは、徳重徹社長(54)が2016年に設立。ドローンを用いた測量や石油化学施設の点検、農薬散布サービスなどを提供している。2024年1月期の売上高は約29億6000万円で、営業利益は約2億4000万円の赤字だった。
「“赤字上場”となりましたが、サウジアラビアの国営石油会社『サウジアラムコ』の投資部門『Wa'ed』からアジアの企業で初めて出資(約18億5000万円)を受けており、投資家の間では成長期待が持たれています。11月29日は2162円で初値をつけ、公開価格の2350円に届かなかったものの、その後、盛り返し、この日の午前は2370円で取引を終えた。以降、株価は堅調に推移しています」(銀行関係者)
「NEDOからの指摘を受けて改めて会計処理を」
グロース市場の新規上場では「大注目の企業」(同前)だというテラドローン。だが、そこに浮上したのが、助成金の不適切受給疑惑だ。同社は設立翌年の2017年から2019年にかけて、NEDOが公募したドローンに関するプロジェクトの助成金を受給している。大手企業と共同で当該プロジェクトを推し進めていたが、
「実は、労働時間などを実態とは異なる数字でNEDO側に申請し、約3000万円を不適切に受給していました」(元社員)
テラドローンに事実関係の確認を求めたところ、主に以下のように回答した。
「ご指摘の通り、約2900万円の差分(2017年該当)が発生してしまいました。差分につきましては、NEDOからの指摘を受けて改めて会計処理をし、既に返金させていただいており、本プロジェクトは2019年に予定通り完遂しております」
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、テラドローンの助成金約2900万円不適切受給疑惑の詳細について報じているほか、〈突破するのはクレイジーなやつだけだ〉などと語る徳重氏の強烈なキャラクター、徳重氏が社長を務めていた別会社「テラモーターズ」に関する元社員からの相次ぐ告発、トランプ政権で要職に就くイーロン・マスク氏が率いるEV(電気自動車)メーカー「テスラ」との意外な関係性などについても取り上げている。
大注目の上場企業「テラドローン」徳重徹社長(54)に告発続々 《中国製の不良品EVバイクを販売、NEDO助成金2900万円不適切受給疑惑》
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